鈍行列車一人旅

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銚子電鉄を辿って

「銚子日帰り下車旅 3/3 (外川~仲ノ町~銚子~新松戸)」

[2015/1/31]

最端づくしの銚子日帰り旅は順調な道のりを辿ってきた。
関東最東端駅の海鹿島を経て銚子の二つの岬を辿ってきたが、
ここからは銚子電鉄に乗り、銚子で特急しおさいに乗り継いで帰路となる。


・外川駅
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銚子最南端の長崎鼻から徒歩10分で、銚子電鉄の終着である外川駅へ到達した。
終着駅だが駅前は何もなく閑静な住宅に囲まれている。

外川駅は銚子電鉄でも有名な駅として知られる。
こじんまりとした古い木造駅舎は開業当初からある建物だ。
この駅の開業は大正12年(1923)だから、駅舎は建てられてから90年以上経っていることになる。


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駅舎の脇には自動販売機がありノスタルジックな赤いポストもある。
留置線に放置されているのは、2010年に引退した名物車両デハ800形だ。
かつての銚子電鉄のイメージといえば黒と赤のツートン色だが、もうあの色の電車は走ってない。


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駅構内はレトロな雰囲気で天井に懐かしの白熱灯もぶら下がっていた。
端っこに古ぼけた郵便配達スクーターが置いてあってりして郷愁を駆り立てる。
色褪せたアナログ時計に、黒板に書かれた時刻表もいい味出してるな。
時間の流れが緩やかになるタイムレス空間だ。



・銚子電気鉄道 [外川~仲ノ町]
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駅を観察してると二両編成の列車がのんびり入線してきた。
さっきの往路で乗ったのと同じく、京王・伊予鉄道で走ってた2000形
ぼってりしたグリーン色は、渋谷駅のハチ公口にある蛙電車を思い出す。

銚子側は湘南顔だが、外川側は三枚窓の貫通顔になっているのが面白い。
この車両は銚子電鉄初の冷房搭載車だが、変電所の供給に余裕がないらしく、
冷房は終着駅の間しかかけないそうだ(苦笑)。切り詰めてる感半端ない!


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ぶっちゃけ私は留置されてる旧型電車に乗りたいが、もう動くことはないのだろう。
車内の乗客は僅か三人。隣駅の犬吠から乗客がドッと増えるのかも。
15時13分、銚子行きは定刻通りのんびりと発車した。



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そのまま銚子へ行っても面白くないので、復路は銚子電鉄の本拠地である仲ノ町で下車しよう。
予想通り犬吠でドッと乗客が増えて車内は賑やかになった。
乗客が乗り込むたびに車掌が切符販売を行う。

切符は磁器タイプではなく昔ながらの硬券でもない。ごく普通の紙の切符である。
これがなかなかいい味出してるというか、いかにもローカル線に来た気持ちにさせてくれるから良い。


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沿線はキャベツ畑が点在していて、そのすぐ脇を列車がゴトゴト抜けていく。
線路の柵もろくになく「町のための鉄道」の雰囲気が漂う。


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銚子電鉄唯一の交換駅、笠上黒生(かさがみくろはえ)。初見ではまず読めない難読駅である。
今思ったんだけど、銚子電鉄の駅って何処もコカコーラの自動販売機があるのは気のせいか?
理由はわからないが、コカコーラと提携でもしてるんだろうか………。

「間もなく、観音~~~~、観音~~~~に到着致します」

観音駅が近づくと車掌さんが車内を回りながら肉声案内を行った。鉄心を刺激するサービスだ。
これでさらに「発車、オーライ!」って言ってくれたら完全に昭和だ。

観音へ到着すると、たい焼きを持った乗客がドッと乗り込んでくる。
観音駅では名物としてたい焼きを販売していて、焼きたてがすぐに食べられるらしい。
そしてそれを車内で何事もなく食べられるところが、地元ローカルの魅力といえる。



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車内広告にもやっぱり萌えキャラ広告があった。
コレはさっき等身大で発見した「外川つくし」とは違うようだ。
調べたところ、広島の鉄道愛好サークルが手がけたものなのだとか。

地方ローカルは色んなものと通じてんなぁ。大手にはないごった煮感がたまらない。


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終着外川から15分ほどで、列車は銚子一つ手前の仲ノ町へ到着。
駅ホームが簡素で、ホームというより古い民家の裏に入って来てしまったような感じだ。



・仲ノ町駅
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仲ノ町はヤマサ醤油の工場地帯にある駅で、駅周りは無機質な建造物ばかりだ。
駅舎も工場の土地を間借りしてるような感じで、駅というより作業場のような雰囲気が漂う。
工場が稼動していれば醤油の匂いが香ってくるそうだ。

無機質なところだが、ここが一応、銚子電鉄の本拠地なのである。
ホームに隣接している車庫に銚子電鉄の車両が停まっているので、少し観察してみよう。


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車庫に停まっていたのは、営団銀座線・丸ノ内線支線で活躍していたデハ1000形
銀座線時代の黄色と丸ノ内線時代の赤色が再現されていた。
東京の地下鉄で古い歴史を持つ2路線再現コンビが、ここで拝めるとは思わなかった。

実は、丸の内線色に塗られているデハ1002は20日ほど前に引退してしまっている。
2015年1月10日を最後に定期運行を終えており、最終日は手前のデハ1001と協調運転を行ったという。
今後デハ1002は保存されるのだろうか?解体されてしまうのだろうか??
一応そこは「鉄」として気になるところなのである。

カメラを向けていると従業員の人がそそくさと車両に乗り込み、引退済みのデハ1002が私の真ん前で始動した!
何だこのサプライズはw。でも、あっちからすればただの業務だろう。


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引退した丸の内線色の電車が運よく前に出てきてくれた。
よく見ると車両後ろ側に名物機関車「デキ3」が連結されてるのが見えた。
ドイツ製であり、日本の旅客鉄道の中で最も小さい機関車として知られてる代物である。


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がんばれローカル鉄道。

まさかの「敗北宣言」から立ち直ることに成功し、ギリギリで頑張ってきた銚子電鉄を象徴する言葉だと思う。
この萌え~な応援ポスターは、仲ノ町駅構内のショーケースに飾ってあった。

あっという間だが、銚子電鉄の旅はこれで終わりだ。
「終着駅に着いたら、何もなかった」そんな地元ローカル線の未来は厳しい。
しかしそれでも乗り鉄は遠くから集い、列車に乗り込む。「乗って残す」とはよく言ったものである。


仲ノ町駅を探索した後、私は隣駅の銚子に向かって出発した。



・仲ノ町駅~銚子駅(徒歩)
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仲ノ町駅から線路沿いの道を歩いていくと、10分程で銚子駅に着く。
駅前ロータリーは広く商店街も広々としていて気持ちいい。
ここから、あとはしおさいに乗って帰路を辿るだけだ。


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16時38分に出る特急しおさい14号。今日はこれに乗って帰路へ着こう!
最近「往路=鈍行」「復路=特急」の行程パターンが定着してしまってるのだが、
帰りも鈍行にすると想像以上にしんどくなるので、今後は特急を上手く活用していこうと考えている。

疲れきった状態で帰りの鈍行に乗り込むあのしんどさは一度味わった人なら分かって頂けると思う。
鈍行で最四端行ってしまった馬鹿が今更何言ってんだって感じもするが(苦笑)。



・特急しおさい14号 [銚子~船橋]
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銚子駅1番線ホームに房総特急しおさいが停まっている。9両編成で自由席はまだ誰もいない。
車両は255系。1993年にデビューし今も房総特急の代名詞として活躍している。

東京~銚子間を結ぶ特急「しおさい」のルーツは、同経路で運行されていた優等列車の存在だ。
総武本線はかつて千葉地区唯一の「本線」とされ、その位置づけと威厳を保つ主旨もあったのか、
観光需要の高い内房・外房線よりも早く有料優等列車が設定された経緯を持っている。

その総武本線において誕生した初の有料優等列車が、1958年に設定された準急「犬吠」だ。
「犬吠」は後に急行に格上げされ、新宿・両国~銚子間を気動車で結んで走っていたが、
1975年に総武本線の全線電化が完了すると、国鉄は「犬吠」の一部を特急に格上げし新たに「しおさい」と名づけた。
当時は単なる値上げだと不評を受けたらしいが、これ以来、総武本線を担う定期特急としてしおさいは走り続けてきた。


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しおさいは東京まで向かうが私は船橋で下車する。この特急は通常船橋には停車しないが、
土休日の1号と14号に限り船橋に停車するという特例があるそうだ。
船橋停車の需要はあまりないものの、千葉北西に住む私にとっては都合がよかった。

列車は銚子を発車すると、旭、八日市場、横芝、成東の順に停車していく。
線形が悪いのか速度はのろのろしていて、ガタンゴトンとジョイント音を盛大に響かせながら走る。
その鈍足な走りは特急らしからぬ気もするが、鈍行よりも所要時間を大幅に短縮できることは確かだ。


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千葉を出ると列車は速度を上げ鈍行を続々と抜き去っていく。
初めはガラガラだったが、進むうちに少しずつ乗客が増えてきた。

やがて銚子から約一時間半で、列車は船橋に到着した。



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房総特急に乗車したのは初めてだが、千葉以東へ向かう際にまた利用してみようと思う。
列車を撮影した後、間もなく発車。船橋駅は休日帰りの人々で混みあっている。
新松戸へ向かうため、私は人混みに紛れて総武緩行のホームへ向かった。


総武本線と銚子電鉄の日帰り旅は、これにて終了。
「本線」と名乗っておきながらローカル度満載な総武本線を経て、
銚子からレトロ電車で関東最東端、犬吠埼を目指してみるのも悪くない。
ぬれ煎餅でもかじりながら歩いて駅巡りをするのもよし、萌えキャラと戯れるのもよし。

見栄を捨てた言葉で一世を風靡した銚子電鉄は、電車修理代を稼ぐために今日も頑張ってるのだろう。
こっちも次何時になるかは保障できないが、また乗りに行くぜ!銚子電鉄!
(完結)
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