鈍行列車一人旅

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雪ミク電車とシェルター

「日本海北上紀行 4日目 (小樽~札幌~すすきの~静修学園前~幌平橋~平岸~南平岸~札幌)」

[2016/1/8]

「日本海北上紀行」と銘打った今回の旅も、今日で最終日(四日目)を迎える。
実は最終日に神威岬を目指そうと企んでいたのだが、昨日の探索でそれは無謀なことだと悟った。
というか、どう考えても無理だった。今の装備で神威岬行けば間違いなく凍え死ぬだろう。
夏なら容易に行けたのに (´・ω・`) 。こうして神威岬を絶望視した私は、小樽の宿で計画を立て直していた。

「北海道はでっかいどう!」なんてサムいギャグは置いといて、北海道は本当にデカくて広い。
だから、一日のうちに札幌~小樽から行ける場所なんてごくごく限られている。
時刻表広げて葛藤すること30分、DIY精神で代替計画を考案した。




今、私が居るのは小樽だ。小樽からまず札幌へ行き市電と地下鉄をちょっとだけ探索した後、
千歳から未乗の石勝線支線を乗り潰せば、帰りの飛行機の時間と良い塩梅になるんじゃないか??
……決まりだ!というか、それしか効率の良い行程が思いつかない。決まったらあとは行くだけだ!

7時に起床して朝飯食って計画を立てて、チェックアウト寸前の10時に宿を出た。
小樽に来たのが無意味になってしまったがw、こればかりはしょうがない。



・函館本線 (快速エアポート) [小樽~札幌]
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小樽駅前の三角市場で海鮮丼を食した後、10時34分発の快速エアポートに乗って札幌を目指す。
札幌はJRの他に地下鉄と市電が走っているのだが、今回は札幌市電と南北線を探索したいと思う。
快速エアポートは小樽を出て小樽築港を過ぎると、断崖に沿って海をひた走る。

今日の天気は曇り&雪。どんよりした空の下、鉛色の日本海が見える。


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この海沿い区間には「張碓」という、普通の人じゃ辿り着けない秘境廃駅があったのだが、
今は駅舎ごと撤去されてしまっている。秘境駅を目指した"業の人"が、列車に撥ねられる事件が多発したからだ。
張碓地区の海岸には恵比須島という小島がある。見かけは岩にしか見えないが、列記とした”島”らしい。

外は氷点下を下回ってるのに、波打ち際でサーファーを見かけた。寒そう……!
「道民は"中身”が違うんすよ!」さっきの三角市場の人の言葉を思い出す。
海沿いを過ぎると市街へ入り、札幌へ。駅を出てすすきのへ向かった。


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昔は地上駅だったらしい札幌駅。「デカイ駅だなぁ……」ってのが、子供の頃からの印象だ。
大通から北側、札幌駅周辺はお堅い雰囲気の建物ばかりだった記憶があるが、今はそうでもない模様。
何時の間にか札幌~大通が地下で繋がってたのにびっくりした(2011年に開通したらしい)。

大通の地下道にあったインコの広場、まだ残ってるかなー。あそこでよく暇つぶししてたわー。
(↑地下道の真ん中にガラスケースがあってインコが飼われてたんです。今もあるんじゃないかと…)



・札幌市営地下鉄南北線 [さっぽろ~すすきの]
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札幌から地下鉄に乗ってすすきのへ移動。徒歩でも行ける距離だからあっという間だ。
クラシカルな緑の電車が走ってた南北線も、今は全駅にホームドアが付いている。
「札幌の地下鉄には何故鏡が設置されてたのか??」それは大人になってわかったことだった。

ゴムタイヤの揺れ心地に身を任せ、3分ですすきのへ到着。
確か、すすきの駅から地上に出てすぐのところに市電の電停があったはず。
4番出口を出ると、ド派手な路面電車がすぐそばまで来ていた。

「アレに乗れば"ブログのネタ"が増えるぞ!」小走りですすきの電停へ向かう。



・札幌市電 (雪ミク電車) [すすきの~静修学園前]
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札幌市民の生活の足、札幌市電。その歴史は古く、元々は石材輸送の馬車鉄道だったという。
地下鉄が開通するまで、札幌市街の主流交通は市電とバスであった。大昔は市街全域を網羅していた市電だが、
1971年の地下鉄開業を皮切りに路線が縮小し、73年以降は逆コの字型の線路を往復するだけとなった。
全廃も検討されたらしいが、沿線住民の存続要望でかろうじて生き残った呈だ。イイ話ダナァー。

00年代後、再び存続の危機に陥った札幌市電だが、市は"街の重要資源"として存続を決定する。
この英断に続き、路面電車を活用する街の発展計画が立った。結果、実現したのは"路線の環状化"だ。
2012年にプロジェクトが発足し、総工費29億円かけて西4丁目~すすきの間に線路を敷設。
逆コの型の線路を繋げて、2015年末に環状路線として新たに開業を果たしている。

三週間前まで終点だったすすきの電停にやってきたのは、ミクさんをあしらった雪ミク電車。
初音ミクを作ったソフトウェアの本社が札幌にある縁で、2011年から運行している札幌市電の名物だ。




みっくみくにしてやんよ!

札幌市電といえば"緑の路面電車"ってイメージがあったから、今の変わり様にちょっと驚く。
東京ではブームの過ぎ去った感のある初音ミクが"札幌の顔"になってたとはな……(苦笑)
乗り込むと広告もミクさんだらけになっていて、中の人??のサインもあった。

雪ミク電車の行先は「内回り循環」。山手線と同じ環状線を回る運行形態が実現したようだ。
市電はすすきの電停を出ると、昨年末に開業した新線区間「都心線」に入る。


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すすきの交差点を左折していく市電。路盤が真新しく、色も違うので新線区間だとわかる。
市電は道路の中央を走るイメージが強いが、新線区間は道路の脇に線路が敷かれている。
これは、「サイドリザベーション」といわれる敷設方式だ。
欧米では一般的な方式で、道路の端に線路を寄せることで乗客の利便性と安全を確保する意図がある。


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今から40年以上前、この区間は元々市電が走っていたという。廃止されたのはもちろん地下鉄開業絡みだ。
南北線と経路が重複するという理由で廃止され、42年間そのまんまになっていたのだ。
新たに設けられた狸小路電停に着くと、乗客がドッと入れ替わる。
開業して間もないが地元では既に浸透してるらしい。ドン○ホーテの看板が懐かしすぎる。




狸小路電停を過ぎてしばらくすると左折し、新線区間を脱した。
すると西4丁目に到着。西4丁目からは道路の中央を走っていく。

「こんなのも走ってたっけか!?」と思うほど、札幌市電の車両は多種多様だ。
丸っこいヤツが50~60年代生まれの旧型電車で、角ばってるヤツが80年代以降の新型車。
ファジーな丸みこそ旧来のSAPPORO STYLE!それは市営地下鉄も同じだったはず。


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市街南西部を南下し車庫の脇を曲がると、後方に藻岩山が見えてきた。
藻岩山の頂上は、市電の最寄電停からロープウェイで簡単に行くことが出来る。

今の札幌の"ミク人気"は凄いらしく、雪ミク電車をカメラで撮影する人が絶えない。
少年少女から会社員、オバハンまで、電車が通り過ぎると"パシャッ!"
札幌ってソッチ系の需要とかあったんだ。


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環状線を回った後、市電は静修学園前に着く。
乗り継ぐ人は少ないと思うが、この電停は南北線の幌平橋駅に近く乗り継ぎが可能だ。
距離にして500mぐらい。雪ミク電車に別れを告げ、歩いて幌平橋へ。

以前乗り継いだことがあるので、何処行けばいいのか感覚でわかる!
電停南側の道路を東へ進んでいくと大きい十字路に出る。この十字路の真下に幌平橋駅はある。




幌平橋駅の近くで川が流れているが、この川は創成川と言うらしい。カ、カッコイイ……!
開拓時代から存在し、幌平橋付近から中島公園を通って札幌中心街を縦断する川である。
十字路から豊平川の方へ向かうと幌平橋が架かっている。
道路橋の上に歩行者用のアーチ橋が架かっているという、世界的に見ても相当珍しい橋梁だ。

10年ぶりにアーチへ上ろうとしたが、冬はアーチが閉鎖されているらしい。
考えてみればそりゃそうだったw。冬は雪積もってるから閉鎖は当たり前か。



・札幌市営地下鉄南北線 [幌平橋~平岸]
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適当にネタ探しを終え、南北線で二駅隣の平岸へ移動。

平岸から先で南北線は地上に出るのだが、その"地上区間の名物"をこれから探索していこう。
大げさな言い方すると「世界唯一の鉄道が世界唯一の区間に突入するところ」です。
なんかすっごい壮大で馬鹿らしい感じがするけど、データ上は一応そうなってるんだよな……!



・平岸~南平岸(徒歩)


平岸駅を出て、マップを頼りに地下鉄上の道を辿っていく。
この辺りは閑静な住宅街で、都心の喧騒から離れた街並みが広がっている。
見覚えのある路地を進んでいくと、目の前に妙な物体が見えてきた。

札幌市営地下鉄の名物、”シェルター"だ……!




どう見てもカマボコにしか見えない。

「札幌の地下鉄ってなんか変だ」。
子供の頃、カマボコみたいなシェルター見て何時もそう思ってた。
札幌に帰省してたのは夏休みだけだったが、今見ても強烈なインパクトがあるな。

珍風景の一つに登録してもいいんじゃないだろかw



・札幌市営地下鉄南北線 地上区間(シェルター)
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南北線の平岸〜真駒内間は元々鉄道が走ってた区間で、奥座敷へ向かう定山渓鉄道が走っていた。
その廃線跡を利用し、地下鉄を真駒内まで通すために市がおっ建てたのがシェルター式高架である。
札幌は豪雪都市であり、線路を外に晒すと雪が積もって莫大な維持費がかかるため、
雪を防ぐためにシェルターで線路を覆うことになり、当地上区間は建設された。

当時はシェルターではなく、軌道にロードヒーティングを施したり、除雪車を走らせる案も出たそうだが、
結局それらの案は立ち消えとなり、雪を完全防御出来るシェルター案が採用されたらしい。
建設は順調に進み、真駒内のオリンピック開催に合わせて南北線は開業している。


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「何故この区間だけ地上に出てるのか??」その理由は単純で、建設費圧縮と工期短縮のためである。
地下を掘るより廃線跡を拡張させて高架を建てる方が、圧倒的に安く早く済んだのだ。
ちなみに定山渓鉄道の遺構は全く残ってない。あるとしても真駒内以南だろう。

シェルターを脇から見ると、鉄道(ゴムタイヤだけど)にしては思った以上に急勾配であることがわかる。
最大43‰の急勾配!童心よろしくジェットコースターのような感覚が味わえる区間。


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撮影していると、南北線の電車がシェルターを駆け抜けていく。
勾配に強いゴムタイヤでも、ここばかりはアクセル全開で駆け上がる。

平岸から轟音立てて地上へ出るときの"あの瞬間"が、子供の頃めっちゃ好きだったなぁ……!




駅の近くに来ると高架が広がってきて、真下の"隙間"から通過する電車を見ることもできる。
下から電車がダイレクトに見えるので"隙間萌え"の方にオススメです。
シェルターを辿っていくと間もなく南平岸駅へ着く。

もう少し探索したかったが、時間が迫ってきたのですぐに札幌駅へ戻ることに。
南平岸駅を撮った後、南北線の乗り場へ向かった。


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昔は「霊園前」と名乗ってた南平岸駅。ここから終点真駒内まで、南北線はシェルターで覆われている。
札幌市街は基本的に平坦だが、平岸~澄川は"坂道の街"といっていいほど坂が多く、鬼畜な急坂が点在した。
南平岸駅から東の坂道を上ると、某番組のロケ地で有名な平岸高台公園があるはずだ……!
高台からの眺めが良いので、平岸へ訪れたときは是非立ち寄ってみてほしい。

南平岸から直行で札幌へ帰還。札幌からは石勝線の起点となる千歳を目指す。
石勝線といえば特急特例区間が有名だが、これから行くのは新夕張から延びる夕張支線だ。
夕張を、今回の旅最後の終着地としたい。

次回(最終回)、千歳から石勝線に乗って終点夕張へ向かう!

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