鈍行列車一人旅

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最後の夜行急行に乗って

「日本海北上紀行 2~3日目 (五所川原~青森~札幌)」

[2016/1/6]

津軽鉄道の往復旅を終え、襲いくる睡魔にフラフラしながら乗り場を出た。
五所川原駅はJRと津軽鉄道で改札が分かれていて、それぞれの出口から出る必要があるようだ。
古めかしい津軽鉄道だったが、待合室も古めかしい。昭和ドラマのセットのようである。


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ストーブの周りに椅子が並べられ、椅子の上に盛れなく座布団が敷いてある。
デカデカと掲げられている時刻表は、これまた渋い縦書き。
唯一現代的なものといえば、棚の上に置かれたテレビだろうか。
夕方のニュースが流れていて、少し前に引退したなでしこのレジェンドが映っていた。


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外に出ると凍てつく寒さに目が覚めた。駅前はT字路になっていて、車が忙しなく行き交っている。
前回の予告通り、平日の五所川原は五能線の接続が悪い(というか列車が少ない)ので、
ここからは弘南バスに乗って青森へ向かおうと思う。

弘南バスのターミナルは、五所川原駅の向かい側すぐのところにある。
引き戸を開けて待合室の中へ。バスを待っているのは三人のみである。




待合室の中はプラスチックのベンチがズラッと並んでいて、各路線の時刻表が掲げられている。
手厚い窓口や蕎麦屋らしき店もあるようだ(今は閉まっているが)。
昔のバスターミナルは何処もこんな感じだったんだろうか。個人的にはたまらない空間だ。

10分ほど待っているとバスが到着。地元客に混じって青森営業所行きのバスに乗り込んだ。



・弘南バス五所川原~青森線 [五所川原駅前~青森駅前]
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弘南バスの五所川原~青森線は、五所川原駅前を起点として青森営業所へ向かうバス路線である。
新青森駅前と青森駅前を経由する当路線は現時点で1日14~19本出ていて、五能線よりも本数が多い。
五所川原~青森間の運賃は1090円で、鉄道運賃(970円)と同等。所要時間もほぼ変わらない。
コレに乗れば、五所川原から青森まで乗り換え無しで行くことが可能である。

車両は何処にでもある低床バスだ。そそくさと乗り込み、後方座席にぐったりと座り込む。
定刻が来ると、最終一つ前の18時ちょうど発青森営業所行きが出発する。
「ジリリリリリ!」発車時に昔ながらのベルが鳴り響いた。

五所川原から青森までは一時間強かかる。五所川原営業所で地元客が数人乗り込んできた。
五所川原市街を出ると交通量の多い国道をひた走り、東へ真っ直ぐ抜けて市境を越える。
市境を越えてすぐのところで奥羽本線と合流し、そこから先は県道を進んでいく。




外は既に真っ暗で車窓を楽しむ余地は無い。暖房の温もりに慣れてきて眠たくなってくる。
窓ガラスに身を寄せ、しばし眠りにつく。外気にさらされた窓は凍えるほど冷たいが、
眠気がヤバすぎて、冷たさなどどうでもよくなってしまっていた。

この区間は全く記憶が残ってない。目を覚ますと新青森のすぐ手前であった。
新青森を過ぎ国道7号をちょっと進んで脇道に入ると、青森駅到着のアナウンスが入る。
このバス路線は青森駅前が終点ではないので、すかさず降車ボタンを押した。

時刻は19時15分。五所川原から一時間強の道のりを経て、バスは青森駅前へ到着する。



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「あああああおもりだぁぁぁーー」

バスを降りて口から出たのは、高崎から延々と鈍行に乗ってきたことで得られた馬鹿一代な達成感と、
深刻な眠気からくるどうしようもない徒労感を一混じりにした、力無き言葉だった。

今回、私が目指すのは青森じゃない。ここは留萌の末端へ到達するまでの通過点に過ぎない。
はまなすが出発するまで3時間強あるが、青森で何をするかは事前に決めており、
夜飯にありついた後、温泉に入る予定を立てていた。場所も全て下調べ済だ。

はまなすが来るまで貴重な休息タイム。腹が減ったので、まずは飯にありつこう!


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はまなす出発寸前になると、飯にありつけるところといえば駅前の吉○家ぐらいしかなくなってしまうが、
19時台なら駅前でまだ開いてる店がある。駅から徒歩すぐのお食事処「おさない」もその一つ。
おさないさんの定食を食べるのはコレで二回目。前回はホタテの定食だったので、
今日はオーソドックスな刺身定食を注文。値段は930円。至ってリーズナブルである。

観光客狙いのお高い店が並ぶ青森駅前で、良心的な値段で提供し続けるおさないさんは素晴らしい。
夜飯にありついた後は温泉だ。歩いて国道沿いにある温泉へ向かう。


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駅前から徒歩数分の「青森まちなかおんせん」。温泉とはいってもスーパー銭湯的なソレらしい。
入浴料は大人420円(貸し出しタオルを含めれば620円)。確かにスーパー銭湯っぽいが列記とした天然温泉で、
その好立地ぶりから地元客で混みあっていた。駅からすぐのところに温泉があること自体に価値があると思う。

たっぷり温泉に浸かった後、青森駅へ帰還。時刻は21時半を過ぎている。
はまなすが既に入線済らしかったので、改札を通ってすぐに乗り場へ向かう。




今夜が最後のはまなす乗車になるはずなのに、至って普通で平静なのが不思議でしょうがない。
二ヵ月後に廃止される実感が未だに無い。以前ほど鉄道に執着しなくなったってのもあるが(汗)。
乗り場に着くと観光客やテツがワラワラいて、想い想いに写真を撮っている。

「明日は札幌かぁ……!」どんなに泣いても笑っても最後の夜行急行の道のりが、幕を開ける!



・急行はまなす [青森~札幌]
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青函トンネル開通以来、青森と札幌を結んで走り続けた夜行急行はまなす。
北海道新幹線の開業を目処に廃止されるというのは、一年以上前から予想されていたことだが、
昨年9月にJR北海道から正式に発表され現実のものとなった。一部区間も残らず列車そのものが消滅するという。
はまなすの最終運行日は2016年の3月21日であり、3月26日には北海道新幹線が開業する予定となっている。

合理化著しい鉄道界で、これほど旧時代の雰囲気を色濃く残した夜行列車は、はまなすを除いて他に無かっただろう。
北&東パスとはまなすを組み合わせた北上ルートは、他の追随を許さない最強の移動手段だったが、
それが今後出来ないとなると、今回のはまなす廃止はあまりにも痛い。痛すぎる。

以前乗ったときは雑魚寝カーペットや指定席だったが、今回私が取ったのは開放B寝台だ。
出発の二週間ほど前にみどりの窓口で発券してもらったのだが、その時点で残っていた空席は、
昨年乗った北斗星と同様、1号車の16番上段のみであった。何か因縁があるとしか思えない。




はまなすは7両編成がデフォだが、今日は2両増結されていて9両編成で運行されるらしい。
寝台車には三ツ星(★★★)のロゴが刻まれているが、コレは二段式のB寝台車であることを示す証だ。
年季を帯びた客車はボロボロ。こりゃ廃止も止む無しって感じで表面がベッコベコになっている。

四半世紀ずっと雪国で走り続けてきた結果がコレなのかと思うと、ちょっとかわいそうだなぁ…。
撮影を終えた後、私は機関車の隣に連結された1号車に乗り込んだ。


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「まーたここ(1号車16番上段)で寝るのか、俺は……!」

先頭車の一番先頭の上段寝台。一年前の北斗星と全く同じシチュエーションである。
自分が意図したわけでもないのに、なんでこんな(無駄な)奇跡を起こしてしまったのかw。
それほど私は、1号車の16番の上段に縁が深いのだろう。

早くも寝る支度を始めたところで、汽笛一声。急行はまなすは、定刻通り青森を出発した。


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車内は惜別目的の乗客が多くを占めていて、通路の簡易席で想いにふけっている哀愁のテツもいる。
私の向かい側の寝台は、鉄道ファンと思われる男性1人と子供3人が取っていた。
最後に乗る寝台列車だからと、我が子達を連れてきたらしい。

「お兄ちゃん、もう寝るの??」(・_ ・)ジー

最後の寝台列車であることも露知らず、寝台を苗床にキャッキャはしゃぐ少年が、
ぐったり横になる私を見つめて言った。すまぬ少年よ、ここですぐ寝ないと明日が鬼畜なんだ……(涙)


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23時06分、列車は青函トンネルへ入った。他のトンネルと違って汽笛を長く鳴らすから、すぐにわかる。
青函トンネルの中は音の反響が独特だ。如何にも海底に潜っていくような、深く透明な響きだ。
そろそろマジで寝ようと毛布をめくったら、何故か出てきた北斗星のロゴ。この毛布、共用だったのか。
想像以上に疲れと眠気不足が溜まっていて、灯りを消すとあっという間に眠くなってしまう。


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夜汽車よ、永遠なれ・・・!

最後の開放B寝台の味。
反響音に包まれたトンネルの中で眠りにつく。

函館での長時間停車も全く気づかず。チラチラ眼を覚ますこともなく、爆睡した。



[2016/1/7]



「……皆様、おはようございます。ただいまの時刻は、5時14分。
急行はまなすは現在定刻通り運行しております。次は南千歳に止まります。」

苫小牧を過ぎ、南千歳に向かうところで今日最初のアナウンスが入り、私は眼が覚めた。
外はまだ真っ暗だ。付箋だらけになった時刻表で今日の行程を確認した後、再び毛布の中へ。
終点まで出来る限り身体を休めたい、意地の悪い欲求が働いたためだ。





千歳線を快走し札幌が近づくと、静かだった車内が忙しなくなってくる。
さすがにそろそろ起きようとカーテンを開けて、荷棚からリュックを取り出した。
時代錯誤だけど旅情たっぷりの、質素で狭苦しい空間ともお別れだ。
新札幌を過ぎ函館本線と合流すれば、北の大都会札幌はすぐそこである。

時刻は6時を過ぎたが陽が出る気配は無い。終始真っ暗のまま、列車は約480kmの道のりにピリオドを打つ。



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「ご乗車ありがとうございました。終点札幌に到着です。」

6時07分、急行はまなすは終着札幌へ到着する。8時間弱の道のりを寸分狂わずに走りきったようだ。
はまなすに乗って北海道へ上陸するのは3回目となるが、全区間乗ったのは今回が初めて。
列車を降りると、「ポーンポーンポーン♪」とチャイムの音が聞こえてきた。
遠くからはるばる北海道へ来たんだと実感する瞬間である。

案の定、記念撮影の集中砲火が始まった。列車はすぐ駅を出ないので撮影時間は十分確保されている。
機関車側に至っては、撮影希望者の行列が形成されてるではないか!(初めて見た)
最終日が近づくごとにカオス状態と化すんだろうけどね……。


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今までありがとう、はまなす。

これまで決行した北上旅の中で、はまなすは最後まで純粋な移動手段として役目を全うしてくれた。
はまなすこそ、私の鉄道旅の最大立役者だったのは間違いない。
記憶に残る名列車だからこそ消え行く雄姿に希望を抱きたい。率直にそう思った。
引退まで残り僅かだが、最後の最後まで頑張ってくれよ……!

今日でようやく三日目に突入となるが、札幌からは札沼線を進んでいくことになる。休憩時間は一切無し。
次の列車が出るまで残り5分をきった。はまなすの雄姿をギリギリまでカメラに収めた後、
7番線に移動し札沼線の一番列車に飛び乗った。乗り込むとすぐに出発する。

次回!札沼線&函館本線の"乗り鉄王道ルート"を突破し、留萌本線の起点深川へ向かう!

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2016/02/19 | 日本海北上紀行


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