鈍行列車一人旅

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羽越本線を辿って

「日本海北上紀行 1日目 (新津~新発田~村上~酒田~秋田)」

[2016/1/5]

高崎から上越線で新潟へやってきた私は、正午前に鉄道要衝の新津へ到達した。
新津は羽越本線の起点だ。ここから同線を終点まで辿って、日本海沿いを北上したいと思う。

全長271.7kmに及ぶ羽越本線を通しで走る鈍行は存在せず、運行系統が完全に分断されている。
例外的な直通列車もあるが、デフォの運行系統で乗り通す場合は計4回の乗り継ぎが必要だ。
「新津~新発田→新発田~村上→村上~酒田→酒田~秋田」の順で、列車を乗り継いでいこう。


・羽越本線 [新津~新発田]
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新津~秋田へ結ぶ羽越本線は、日本海縦貫線の一角を担う重要幹線だ。
新潟~山形~秋田の三県を貫く路線で、建設は三県ごとに進められたことで知られる。
各県が線路を延ばし、県境を繋げて全通したのが1924年。他の幹線と比べると歴史は割と新しい。

羽越本線の中でも、新津~新発田間は取り残されたような閑散区間となっている。
白新線が新発田以北の羽越本線と一体になった運行形態を取っていて、主要ルートを形成してるからだ。
白新線経由の列車が乗り入れる新発田以北と比べると、この区間の列車は著しく少ない。

12時12分発の新発田行きは、定刻から20分ほど前にホームへ入ってきた。
本線とは名ばかりの単行気動車。当区間は電化されてるが、諸事情あって鈍行に限っては気動車が使われている。
羽越本線というと華やかなイメージがあったが、完全に寂れたローカル線の趣だ。
定刻が来ると、ディーゼルエンジンを唸らせて新津を出た。


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新津を出ると、まずはただっ広い田園を行く。見渡す限り、田園。
阿賀野川を渡ると人家が増えてきて京ヶ瀬に到着。水原では地元客がドッと降りていった。

水原を出、ガラガラになった列車は再び田園を突き進む。
新潟まで来ると地元の人の喋り方に訛りを感じるようになってきた。
津軽の方ほど訛ってはいないが、やっぱり東京人とは抑揚が違うようだ。


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ポツポツ人家が点在する田園を単行の気動車がひた走る。
ガラガラ唸る気動車はやかましい存在かもしれないが、私は気動車のワイルドな走りが好きだ。

この区間の車窓は至って素朴で平凡のようだ。
過去の栄光が其処かしこに残っていて、単行列車に対しホームはやたらと長い。
以前秋田から「あけぼの」に乗ったとき、夜中起きて眺めてた車窓がこの区間だった気がする。


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12時40分、列車は終点の新発田へ到着。たった30分弱の道のりであった。
実はここから先、鈍行の接続が良くない。次に来る村上行きは二時間近く後だ。
てことでやむを得ない手段だが、新発田から村上までは特急に乗って進んでしまおう。




「きらきらうえつ」も停車する新発田(しばた)は、羽越本線と白新線が乗り入れている。
旅出発まで、私はこの駅を「しんほった」と呼んでいた。漢字は難しくないくせに難読だ。
他にも「にいほった」とか「あらはつでん」とか珍回答が続出しそうな、独特の難読レベル。

「あんた今どこにいんの?しんはつでん?しんはつでんね!」「ちょっと待って、ここあらほっただよあらほった!」
珍回答で日常会話を妄想したらちょっと吹き出してしまった。普通に面白い。ウププ!



・羽越本線 (いなほ5号) [新発田~村上]
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新津~新発田間は完全にローカル線だったが、羽越本線の本領が発揮されるのは白新線と接続する新発田以北だ。
新潟発着の通勤列車や秋田方面へ向かう特急の他、米坂線の直通列車が入り混じる区間で、
羽越本線の中で最も繁華な区間である。列車の本数も新津~新発田間と比べると倍以上あるようだ。

新発田駅で待つこと10分ぐらいして、12時55分発のいなほ5号がやってきた。
全区間鈍行で乗り通したかったが、日が暮れるまで出来る限り先へ行きたいので、
ここばかりは特急に縋ろう。村上からまた鈍行に乗って北上すればいい。

いなほ5号は7両編成で、そのうち自由席車は後方の二両にあった。
新発田~村上間を自由席で行く場合は、普通運賃合わせて1090円が必要。
そういえばこの特急車、常磐線で走ってたやつだ。外観がちょっとオサレになってるじゃないか。


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車内は満席状態。乗り心地は快適でさっきの気動車とは比べ物にならない。
鈍行の質素な座り心地に慣れちゃってたのか、フワフワした座席が心地よくて眠り込んでしまう。
写真も一枚しか残ってない。出発前日バタバタしてたから瞼が重くて、特急の甘美な誘惑に負けまみた……

相変わらずの田園と近郊街を抜け、ハッとして眼が覚めると列車は村上に停車していた。
発車する間際、急ぎ足で列車を降りる。危ない、危ない。


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「大丈夫ですか??」「ハイ大丈夫です、すいませんでした!」

ドアが閉まるとほぼ同時に降り立った。
そして、超ギリギリで降りた私を労ってくれた車掌がグッジョブ過ぎた!
雪を浴びながら一人いなほ号を見送る。グッジョブ車掌の大いなる背中、しかと見届けたぞ。



・羽越本線 [村上~酒田]
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村上駅2番線に、13時35分発の酒田行きが停まっている。二両編成の国鉄気動車だ。
羽越本線は村上から先で電化方式が直流から交流へ変わるが、双方に対応した車両を用意できない事情から、
この区間の鈍行も例外を除き全て気動車で運行されている。列車の本数も極めて限られているようだ。

これまでは素朴な平野の中だったが、村上から先で羽越本線は日本海スレスレに出る。
景勝地や海水浴場が点在する区間で、日本海縦貫線の中でも最大の見せ所といえる。
風光明媚な景色とは裏腹に運行概況は厳しく、天気が荒れがちな冬は運休が頻発するという。

湿っぽい雪が降る中、列車はエンジンを唸らせて村上を発車した。
村上を出、三面川を渡り、隧道を抜ける。すると左手に現れるのは、荒々しい日本海だ。


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枯れきった日本海横手に国鉄気動車が行く。それもドコドコ唸りながらゆっくり走っていく。
ただそれだけなのに素晴らしいって思うのは俺だけか??
特急では味わえない旅の感覚だ。




日本海沿いをひたすら走って、今川では数分停車。対向から貨物列車が走り去っていった。
この辺り(桑川~越後寒川)は「笹川流れ」と呼ばれる景勝地が連なっていて、奇岩や絶壁が点在している。
羽越本線からでもその絶景を拝むことは可能で、「きらきらうえつ」が名物としてるのもここだろう。


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今川からも相変わらず日本海の脇を行くが、間もなくして笹川流れの絶景は途切れた。
村上で降っていた雪は、何時の間にか雨に変わっていた。


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深刻な眠気不足で再び眠くなってきてしまう。席を立って凌ごうとするがあまり効果なし。
大学入試直前、眠気を吹っ飛ばすために冷水ぶっかけたり頬を引っぱたいていたのを思い出す。
その場でやってみようと思ったが、やめた。公衆の面前でやれば変人マゾ確定だ。

あつみ温泉で列車は数分停車。僅かな観光客が乗り込んでくる。
車内はご覧の通りガラガラで、ボックスシートに一人一人居座ってる感じ。




延々と日本海沿いを走ってきたが、三瀬を境に羽越本線は内陸へ戻った。
ここから酒田までは平坦な景色が続くようだ。
日は既に暮れかけている。


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陸羽西線と合流すると、間もなく終点の酒田へ到着。
乗客を降ろした後、役目を終えた気動車はすぐに走り去っていった。

羽越本線の見所はこの先もあるらしいが、既に真っ暗。
東北の夕暮れは恐ろしいほどに早かった。まだ16時を過ぎたばかりなのに……!
大人しく跨線橋を渡って、ホームのベンチで秋田行きを待つ。



・羽越本線 [酒田~秋田]
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これまで気動車の区間が大半を占めたが、酒田から先で羽越本線の鈍行はようやく電車のみとなる。
全線通し鈍行の本数は1日9~10本で、新潟からやってくる特急も3本しかなくなる。
効率の良い接続も特に考えられてない。乗り継ぐ際は注意が必要だ。

16時31分発の秋田行きは二両編成のステンレス電車。座席はロングシートしかない。
定刻が来ると酒田を出て、日暮れの中をアクセル全開でかっ飛ばしていく。
由利鉄と接続する羽後本荘で学生が大勢乗り込んでくる。
乗り場に萌えラッピングの気動車が停まっていた。


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秋田、到達!!

18時20分、尻が痛くなってきた頃に終点秋田へ着いた。
若干強行軍となったが、コレで羽越本線は完乗。思った以上に長い道のりだった。
列車を降りた後はすぐに宿へ。出発前の疲労が残ってるので、今日のうちに十分な休息を取る必要があった。

今日乗り通して思ったのは、羽越本線は想像以上に鈍行の乗り継ぎが不便だってことだ。
行程を立てるのに手間がかかったし、一日のうちに効率良く乗り継ぐパターンは限られている。
新津~酒田間でデフォの運行系統を無視した直通列車(1日2本)を活用するのが、無難な攻略法かもしれない。


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日照時間が日本一短い都市、秋田。秋田美人説の根源は、多湿な気候と日照時間の短さから来てるらしい。
駅を出ると近くに美味そうなラーメン屋があったので、そこで腹ごしらえ。
たらふく食べた後、事前に予約してある宿へ向かった。

明日は五能線を突破した後、津軽鉄道に訪れる予定だ。五能線は数年前に乗り通していたが、
鉄道旅として中途半端に終わってしまったため、今回リベンジの計画を立てた。
リゾートしらかみが走らない日の五能線は、全線突破することも困難な超ローカル線と化すが、
秋田側から行く場合、全線通しで行ってくれる鈍行が一本だけある。コレに乗ることが明朝の絶対目標だ。

国鉄気動車が残ってるうちにやっときたかった"五能線リベンジ"!宿到着後は速攻で就寝した。
次回、東能代から五能線の鈍行に乗って、実質終点の弘前へ向かう!

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2016/01/18 | 日本海北上紀行


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