鈍行列車一人旅

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陸羽西線と象潟海岸

「秋田ローカル鉄道旅 1日目 (新庄~酒田~象潟~羽後本荘)」

[2015/10/16]

のっけの仙台での乗り継ぎが鬼畜だったが、今回の旅の滑り出しは至って順調!何もトラブルが起きないのが一番だ。
新庄駅構内には新庄弁を使った掲示物が沢山掲示されている。駅前から離れられない乗り鉄にとっては、
こういった掲示や広告は旅のささやかな楽しみの一つになったりする。ネタにもよるけども。


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「新庄さよぐきてけったにゃー」「抑止すったが?」

………駄目だ、何て訳せばいいのか全く分からない(汗)。どうでもいいけど語尾に「にゃー」って可愛いなww。
ネコ語みたいじゃないか。山形の地元民は可愛い女の子もムサイおっさんも共通で語尾に「にゃー」をつけるんだろか??

「間もなく5番線に、14時14分発の酒田行き普通列車が到着致します!
乗り場は3番線ではなく5番線になりますのでご注意ください!」


改札が始まり駅ホームで列車を待っていると、5番線に気動車が入線してきた。
時刻表を見る限り、恐らく鳴子温泉を始発としてやってきた陸羽東線の鈍行であろう。
どうやら、陸羽東線を走った鈍行がそのまま陸羽西線の鈍行となって運行されるらしい。
実質的な「鳴子温泉発酒田行き」といっていいだろう。到着後、私はすぐ列車に乗り込んだ。



・陸羽西線 [新庄~酒田]
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新庄と余目を結ぶ陸羽西線は、太平洋側の陸羽東線とはまた別に、日本海側から延伸を繰り返して開通した路線である。
酒田~新庄を結ぶ計画のもとに線路が敷かれた同路線はかつて「酒田線」と名乗り、羽越本線よりも開通が早かった。
後に羽越本線が全通すると余目~酒田間は羽越本線の一部となり、新庄~余目間が純然たる陸羽西線となったが、
開業当初の酒田~新庄を結ぶ計画の名残か、陸羽西線のほぼ全ての列車は羽越本線の酒田まで直通している。

陸羽西線の列車は往路復路ともに1日11本であり、そのうち1本だけは快速「最上川」として運行されている。
14時14分発の酒田行き鈍行は二両編成の気動車で、車内は手堅いボックスシート主体になっている。
この路線は全線の距離はそれほど長くないが、最上川の渓谷に沿って進むため車窓は素晴らしいという。
たった数人の乗客を乗せ、定刻になるとディーゼルエンジンを唸らせて新庄を発車した。


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列車は新庄からはしばらく田園と住宅の中を走るが、ほどなくして周りの山が深くなってきて一級河川の最上川と合流する。
陸羽西線の車窓は北側の方が圧倒的に良いらしい。古口では対向列車待ち合わせのため数分停車。
この駅を出てしばらくすると、大河のような趣の最上川が間近に姿を現した。


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山形中央部から日本海に注ぐこの川は日本三大急流の一つで、一県内で源流から河口に至る川としては日本一の長さを誇る。
古口から清川に至って広がる谷間の景色は「最上峡」と呼ばれ、長年に渡り最上川の急流が削ってできた峡谷である。
現在最上川は治水対策が何回も行われており、急流というよりは穏やかな流れになってしまったようだが、
川の両側に迫る険しい山々に、その往時の片鱗をかろうじて見ることができた。

この辺りの地は人家が一切なく、最上川と国道と鉄道が並行するのみであり圧巻である。
清川を出て少しのところで陸羽西線は最上川と分かれ、人家の多い平野へと入っていく。


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途中駅で乗り込んでくる乗客は数人のみで、車内は未だガラガラ。単行でも十分と思わざるを得ないほどの閑散ぶりだ。
清川の次の狩川を出ると辺りは田園一色となり、ひたすら広大な田園真っ只中をひた走る。
15時05分に列車は陸羽西線の終点となる余目に到着するが、列車自体は酒田まで走り抜く。


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「酒田、到達!!」

羽越本線に入ると人家は益々増え、やむなくして終点の酒田に定刻通り到着となった。
これで陸羽東西線を完乗したことになる。酒田からは羽越本線に乗って北上しなければならない。
約15分後に発する秋田行きの鈍行に乗るため、私は改札を出ずそのまま羽越本線の乗り場へ向かった。

陸羽東西線を通しで乗ってみた感想としては、東西双方がまるで対になっているような景色が展開したことだ。
山岳区間を突き抜け峠を越える陸羽東線に対し、逆に陸羽西線は一級河川に沿って延々とひた走る。
その東西双方の車窓の妙味は、通しで乗り通すことでより手堅い実感を得られるだろう。



・羽越本線 [酒田~象潟]
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酒田からは羽越本線を北上し羽後本荘へ向かう必要があるが、今日は日没まで少し時間があるので途中下車してみよう。
15時37分に酒田を発する秋田行き鈍行は、二両編成のステンレス電車。車内は鬼畜のオールロングシートである。
酒田からしばらくは平野だが、吹浦を出たところで羽越本線は日本海沿いに出、秋田の地へ入った。

雄大な鳥海山の脇を北上し、ひなびた駅を数駅進んだところで列車は象潟(きさかた)へ到着する。
日本の夕陽百選にも選ばれた象潟海岸が、駅前から徒歩数分で行けるというので行ってみることにしよう。


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象潟はかつて松尾芭蕉が奥の細道で訪れた最北の地であり、その名の通り本当に「潟」が存在していた地でもある。
ここ一帯はかつて浅い海であり、無数の小さな島々が海面から顔を出して風光明媚な景色を形成していたという。
しかし19世紀入って間もない頃に起こった象潟地震で海底が隆起し、象潟は陸地化した。
陸地化してもなお古来から存在する島々は残されており、今は広がる水田の中にその姿を見ることができる。

往時の象潟の島々も見てみたかったが、今は夕日を拝む時間しか残されてないため一直線に海岸のもとへ向かう。
駅前から道を西へ真っ直ぐ歩いて行くと、およそ数分のところでこじんまりとした浜辺に行き着いた。



・象潟海岸
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これが、"秋田の湘南"かっ!(苦笑)

「渚百選」「夕陽百選」どちらにも選定されている象潟海岸である。眼の前に広がるのは秋の穏やかな日本海。
辺りは閑散としているが、夕陽の名所らしく行楽客もチラホラ見られる。

せっかく来たので、iPhoneのパロラマカメラで象潟海岸の全景を撮影してみた。初撮りにしちゃ割かし上出来かな!
思った以上にこじんまりとした入り江だが、周囲の住宅と上手い具合に隔てられており雰囲気はピカ一。
浜辺前のベンチに座ってしばらく夕陽を眺めていると、次第に空が真っ赤に染まり始めた。


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真っ赤に染まりきった太陽が、ただっ広い日本海の水平線に沈んでいく。
こうして夕陽を見ていると、夏終わりの線香花火の最後というか、
燃え尽きて火玉が落ちるあの切なさが懐かしくなってくる。




「象潟海岸の夕陽(iPhoneで撮影)」

綺麗なぁー………。

どうせここまで来たならと、手持ちのiPhoneでさらに自前動画を撮ってみた。
年々iPhoneのカメラは進化していて、下手なコンデジよりも高品質な画像や映像が撮れるのだ。
「ジョ○ズ以降のiPhoneもなかなか馬鹿にならないぜ!!」と、
iPhone6のダサいデザインに落胆してわざわざ旧モデルのiPhone5に買い換えた私は心底そう思ったww。

やがて夕陽が沈みきったところで、周りからささやかな拍手と歓声が上がる。ずーっとのんびり海を眺めていたいが、
あと少しで羽越本線の鈍行がやってきてしまうため、夕陽が水平線に沈んだ後はすぐに道を引き返し象潟駅へ。
これから来る鈍行に乗らないと一時間半近く立ち往生することになるので、早々に進んだ方が賢明だろう。



・羽越本線 [象潟~羽後本荘]
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17時09分に象潟を発する秋田行き鈍行は、奥羽本線110周年記念のラッピングを纏っていた。
その名も「なつかしのギャラリー列車」。3編成しか存在しない限定ラッピング車らしい。
車内には、往時の鉄道全盛を偲ばせる写真が宙吊りで展示されている。

車内は地元の学生で埋まっている。というか学生しかいない。
すっかり真っ暗になった日本海沿いをひた走り、列車は象潟から数駅で羽後本荘へ到着となった。


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今日の鉄旅はここで一旦打ち切り。事前に予約済みの駅前の宿で一泊となる。
宿へ行く前に何か食べようと思ったが駅前には何もないため、駅構内のキオ○クで夕飯を購入。
陸羽東西線も象潟海岸も良かったが、今回の旅のメーンは明日だ。順当に支度を済ませ夜23時に就寝した。

「ゆりてつの"萌えラッピング車"に乗りたい………!」

その私のささやかにして切実な願いは、翌日朝に予想外の奇跡を呼び起こすこととなる(ネタバレ必至)。
次回!羽後本荘から第三セクターの由利高原鉄道に乗って、終点の矢島へ向かう!

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