鈍行列車一人旅

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リゾートみのり号が行く

「秋田ローカル鉄道旅 1日目 (大宮~仙台~小牛田~新庄)」

[2015/10/16]

「秋の秋田へ行こう!」

秋だから秋田へ行こうなんて馬鹿みたいな発想で秋田へ行くことにした。
今回の旅は少し雑多だが、長距離鈍行旅でやれることはやってしまった感があるので、
今後は路線単位で鉄道旅を楽しんでいこうと考えている。

その路線を焦点に当てた第一発目が今回の秋田ローカル鉄道旅というわけだ。
何時も通り以下で行程を概観していこう。


・計画~導入


今回の鉄旅の起点は仙台とした。早朝に新幹線で東京から仙台へ行き、そこから鈍行と臨時快速を乗り継いで進んでいく。
一日目のメインは陸羽東線陸羽西線(画像左)だ。
陸羽の二路線を完乗したら日本海沿いに出て羽越本線を北上。象潟に立ち寄った後、羽後本荘で一泊する。

二日目は羽後本荘から往復で由利高原鉄道(画像中央)のまごころ列車に乗り、
さらに秋田を経由して角館から秋田内陸縦貫鉄道(画像右)の臨時紅葉列車に乗って弘前へ向かう。
弘前へ到達したら奥羽本線を北上し、新青森から新幹線に乗って帰宅。合わせて一泊二日の行程だ。

陸羽東西線・由利高原鉄道・秋田内陸縦貫鉄道の三大コンビを、今回は存分に楽しんでくるつもりだ。
臨時列車をふんだんに盛り込んだ、ささやかながら華やかな鉄道旅の始まりだ。
何時ものバックパックに荷物を詰め込み、朝6時に家を出た。



・はやぶさ/こまち3号 [大宮~仙台]
R0012258 (2)

季節はすっかり秋で東京はまだ暖かいが、東北は既に最低気温10度を下回ったという。
今回は一丁前にハット帽を被ってきたが、夏物素材で若干場違いな気がする。
でも、コレ以外にストックがないのだった。まあ何もかぶらないよりはマシさ。

まず武蔵野線と埼京線に乗って一大鉄道ターミナル大宮へやってきた。
大宮からは東北新幹線に乗って一気に仙台を目指す。この時間帯は下りでも混雑していて、立席扱いの便もある。
ボヤボヤしてるうちに本来乗るはやて111号が行ってしまったので、一つ後のはやぶさ/こまち3号に乗り込んだ。
前側にはこまちの車両が連結されていて盛岡まで一緒に走るようだ。

東北路を北上するごとに天気は回復してきた。鈍行だと何時間もかかるところを新幹線は1時間足らずで行ってしまう。
旅情もへったくれも無いが、新幹線は時間を短縮できるのが売りだ。
関東平野を出てトンネルが多くなってくると、列車は長閑な山の中を突き進む。
仙台一歩手前のところで天気はすっかり晴れ渡った。快晴の青空。絶好の旅日和だ。




仙台までやってきたのはいいが、さっきはやてを乗り損ねてたおかげで乗り継ぎがシビアになってしまった。
今乗ってるはやぶさ/こまち3号が仙台に着くのは9時10分で、リゾートみのり号が仙台を出るのは9時13分
たった3分で乗り換え改札を通って在来ホームに移動しなければならない。結構鬼畜だ。
仙台駅は乗り換え改札が一箇所しかないという。そこをどう切り抜けられるかが問題だ。

「ぬあああああーーー!!間に合うかあああああーーー!?」(←新幹線ホームを小走り中)

はやぶさ/こまち3号は定刻どおり仙台へ到着。
駅構内図を頭に叩き込み、鼠の如き足取りで在来ホームへ駆け下りた。



・リゾートみのり [仙台~新庄]
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「リゾートみのり」は、東北本線/陸羽東線で運行されている臨時列車である。
この列車は五能線の「リゾートしらかみ」を下地として導入されたジョイフルトレインで、
既存の国鉄気動車をリゾート用に大改造して2008年に運行を開始している。
全席指定席で通常は3両編成での運転。運行日は主に金・土・日・祝で、JRの公式HPで確認が可能だ。

新幹線ホームから乗り換え改札を突っ切り急いで在来ホームへ向かうと、いぶし銀の茶色の気動車が停まっていた。
仙台から新庄まで一本で行ってくれるリゾートみのり号だ。
既に車掌がホームに出て発車ベルを押そうとしているので、写真を撮った後はすぐ列車に飛び乗った。

9時13分。私が乗り込んで間もなくリゾートみのり号が出発する。
見慣れた東北本線を北上し、松島が近づいたところで観光案内が入った。辺りは人家の少ない里山の中だ。
東北路はのっぺりした中に随所で見所が現れるから侮れない。松島を抜けると、列車はただっ広い田園をひた走る。


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3時間強に及ぶ長旅だが、座席はリクライニング出来るしシートピッチも広いので快適だ。
列車の端は展望スペースになっており、座りながらかぶりつくことも可能。
正直かぶりつきとかあまり興味ないので、指定の座席に居座ることにしよう。
今回撮った席は進行方向左側だ。どちら側の車窓もどっこいどっこいの陸羽東線だが、車窓は南側の方が開けるという。

9時51分、列車は小牛田に到着。ここから列車は陸羽東線に入り、一路新庄を目指すことになる。
陸羽東線は鳴子温泉を境に運行系統が分かれていて全線通しの列車は限られているが、
リゾートみのり号は全線通しで行ってくれるので乗り換えの手間を考える必要がない。
そういう意味で、この列車は乗り鉄にとって有難い存在だ。


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小牛田を出ると東北本線と分かれ、単線非電化の陸羽東線に入った。
これまた広大な田園を進んでいくと新幹線と接続する古川に着く。
古川では10分ほど停車。ドッと観光客が増えた。

10時14分、列車は古川を発車する。古川から陸羽東線は少しずつローカルになっていくが、辺りは相変わらず田園の中だ。
西古川の脇にはSLが保存されていると言うので、左側を見ていると朽ちたSLが見えた。


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岩出山では対向列車待ち合わせで数分停車し、そこからほんの僅かで有備館へ。
有備館を出るとひたすらただっ広い田園を突き進み、列車はいよいよ山間部へ突入。
左手に巨大なコケシが見えると、陸羽東線は山岳路線の様相に変わる。

川渡温泉を出ると辺りは深い山の中。橋上にある鳴子御殿湯を過ぎると、
右手に江合川を見ながら観光拠点の鳴子温泉へ到着した。ここでは23分停車するようだ。


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さっそく列車を降りると、何処からか温泉の匂いが漂ってきた。
リゾート列車らしくホームでは手厚く歓迎の幕も出た。
東京と比べるとすっかり肌寒く、東北の地へやってきたことを実感する。

鳴子温泉を出ると列車は本格的な山間部に入る。陸羽東線最大のハイライト区間だ。
長いトンネルを抜けると、座席付属の案内にも"美しい"と絶賛する鳴子峡が現れた。


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鳴子峡通過時は徐行しながら進むが、ここばかりは右手の車窓が素晴らしい。
トンネルとトンネルの間の僅かな隙間に鳴子峡はある。鈍行は一瞬で通り過ぎてしまうのだろうが、
紅葉期には鈍行でも徐行運転をやってるらしい。ほんの僅かながら絶品の紅葉景色を味わった。


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宮城~山形の県境に差し掛かると本格的な峠越えとなり、勾配を延々と上っていく。
並行する道路は国道47号。起点から終点まで陸羽線と運命をともにする二桁国道だ。
峠を越え山形の地へ入ると、列車は展望がいいところをのんびりと走る。


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瀬見温泉を過ぎると終点新庄はあと少しだ。小国川とともに緩やかな坂を下り山間を抜けていく。
割と高いところを走るので展望は良い。そのいずれも左側に眺めの良い車窓が展開する。
小国川が離れると人家が増えてきて奥羽本線と合流した。

奥羽本線はミニ新幹線も走れるように線路規格を変えてあるので、陸羽東線の線路と独立しているようだ。
終点一つ手前の南新庄を出ると奥羽本線と並行しながら進み、新庄市街へ入っていく。


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12時26分、リゾートみのり号は終点の新庄に到着した。
取り敢えずこれで陸羽東線は完乗だ。新庄駅からは陸羽西線に乗って日本海側を目指すことになる。

新庄では一時間半の滞在時間がある。取り敢えず駅前に出て昼飯にありつくことに。
ネットで調べたところ、駅近に美味しいラーメン屋があるとのことで早速向かう。
新庄駅から徒歩数分で行ける「新旬屋麺」。入店すると女性店員さんの呼び声で出迎えられた。
気の利いた接客が素晴らしい!というか、これまで訪れたラーメン屋の中で一番素晴らしいw


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おすすめメニューを聞いてみたら、一日十食限定の「金の鳥中華SPECIAL」がお得ですというので、それを注文。
東北の具材をふんだんに使ったラーメンって感じだ。その味をラーメン激戦区ちばらぎで鍛えた舌で味わう。
さすが"SPECIAL"と題するだけあって、具材がこれでもかと盛り込まれている。
味玉にきんかん、宮城県産の海苔五枚に加え、チャーシュー二枚と海老ワンタンが二個入ってるという豪華ぶりだ。

これで780円だから凄い!麺は素朴な縮れ麺で、スープは鶏の出汁に醤油と塩が加えられた独特なもの。
結構な種類のラーメン(主に二○インスパイア系)を食してきたが、これは他で見たことがない。
腹が減ってたので、麺・スープともにあっという間に完食してしまった。


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地元密着ラーメンを味わった後、すぐ新庄駅へ戻り14時14分発の酒田行きを待った。
3路線とミニ新幹線が乗り入れる鉄道拠点だけあって、新庄駅は立派な面構えだ。
ミニ新幹線が乗り入れているのに、改札が有人改札のままってのが意外だけど。

次回!新庄から陸羽西線と羽越本線に乗って、夕陽名所である象潟海岸へ向かう!

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陸羽西線と象潟海岸

「秋田ローカル鉄道旅 1日目 (新庄~酒田~象潟~羽後本荘)」

[2015/10/16]

仙台の乗り継ぎが鬼畜だったが今回の旅の滑り出しは順調!トラブルが起きないのが一番だ。
新庄駅には新庄弁を使った掲示物が沢山掲示されている。駅前から離れられない乗り鉄にとっては、
こういった掲示物は旅の楽しみの一つになったりする。ネタによるけども。


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「新庄さよぐきてけったにゃー」「抑止すったが?」

………駄目だ、何て訳せばいいのか分からない(汗)。どうでもいいけど語尾に「にゃー」って可愛いなww
ネコ語みたいじゃないか。山形民は可愛い女の子もムサイおっさんも共通で語尾に「にゃー」をつけるんだろか??

「間もなく5番線に、14時14分発の酒田行き普通列車が到着致します!
乗り場は3番線ではなく5番線になりますのでご注意ください!」


改札が始まりホームで待っていると、5番線に気動車が入線してきた。
時刻表を見る限り鳴子温泉を始発としてやってきた陸羽東線の鈍行だろう。
どうやら、陸羽東線を走った鈍行がそのまま陸羽西線の鈍行となって運行されるらしい。
実質的な「鳴子温泉発酒田行き」といっていいだろう。到着後はすぐ列車に乗り込んだ。



・陸羽西線 [新庄~酒田]
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新庄と余目を結ぶ陸羽西線は、太平洋側の陸羽東線とはまた別に日本海側から延伸させて開通した路線である。
この路線はかつて「酒田線」と名乗り、羽越本線よりも開通が早かった。
後に羽越本線が全通すると余目~酒田間は羽越本線の一部となり、新庄~余目間が正式な陸羽西線となったが、
開業当初の酒田~新庄を結ぶ計画の名残か、陸羽西線のほぼ全ての列車は酒田まで直通している。

陸羽西線の列車は往路復路ともに1日11本、そのうち1本だけは快速「最上川」として運行されている。
14時14分発の酒田行きは二両編成の気動車で、車内はボックスシート主体になっている。
この路線の距離はそれほど長くないが、最上川の渓谷に沿って進むため車窓は素晴らしいという。
たった数人を乗せ、定刻になるとディーゼルエンジンを唸らせて新庄を発車した。


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新庄からはしばらく田園と住宅を走るが、ほどなくして周りの山が深くなり一級河川の最上川と合流する。
陸羽西線の車窓は北側が圧倒的に良いらしい。古口では対向列車待ち合わせのため数分停車。
この駅を出てしばらくすると、大河のような趣の最上川が姿を現した。


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山形から日本海に注ぐこの川は日本三大急流の一つで、一県内で源流から河口に至る川としては日本一の長さを誇る。
古口から清川まで広がる谷は「最上峡」と呼ばれ、長年に渡り最上川の急流が削ってできた峡谷である。
最上川は治水対策が何回も行われており、急流というより穏やかな流れになってしまったようだが、
川の両側に迫る険しい山々に往時の片鱗をかろうじて見ることができた。

この辺りは人家が一切なく、最上川と国道と鉄道が並行するのみであり圧巻だ。
清川を出たところで陸羽西線は最上川と分かれ、人家の多い平野へ入っていく。


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途中で乗り込んでくる乗客は数人のみで、車内はガラガラ。単行でも十分すぎるほどの閑散ぶりだ。
狩川を出ると田園一色となり、広大な田園の中をひた走る。

15時05分に列車は陸羽西線の終点となる余目に到着するが、列車自体は酒田まで走り抜く。


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「酒田、到達!」

羽越本線に入ると人家が増え、やむなくして終点の酒田に到着した。
これで陸羽東西線を完乗したことになる。酒田からは羽越本線に乗って北上しなければならない。
15分後に出る秋田行きに乗るため、改札を出ずそのまま羽越本線の乗り場へ向かった。

陸羽東西線を乗ってみた感想としては、東西双方がまるで対になっているような景色が展開したことだ。
山岳区間を突き抜け峠を越える陸羽東線に対し、陸羽西線は一級河川に沿って延々とひた走る。
その東西の車窓妙味は、通しで乗り通すことでより実感を得られると思う。



・羽越本線 [酒田~象潟]
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酒田からは羽越本線を北上し羽後本荘へ向かうが、今日は日没まで時間があるので途中下車してみよう。
15時37分発の秋田行きは二両編成のステンレス電車。車内は鬼畜のオールロングシートである。
酒田からしばらくは平野だが、吹浦を出たところで日本海沿いに出て秋田の地へ入った。

雄大な鳥海山の脇を北上し、ひなびた駅を数駅進んだところで列車は象潟(きさかた)へ着く。
日本の夕陽百選に選ばれた象潟海岸が駅から徒歩数分で行けるというので、行ってみることに。


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象潟は松尾芭蕉が奥の細道で訪れた最北の地で、その名の通り「潟」が存在していた土地で知られる。
ここ一帯はかつて浅い海であり、無数の小さな島々が海面から顔を出し風光明媚な景色を形成していたという。
しかし19世紀入って間もない頃に起こった象潟地震で海底が隆起し、象潟は陸地になった。
陸地化しても古来から存在する島々は残っており、現在は水田の中にその姿を見ることができる。

象潟の島々の跡も見てみたかったが、夕日を拝む時間しか残されてないため一直線に海岸へ向かう。



・象潟海岸
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駅前から道を西へ真っ直ぐ歩いて行くと、数分のところでこじんまりした浜辺に行き着いた。
「渚百選」「夕陽百選」どちらにも選定されている象潟海岸だ。
辺りは閑散としているが、夕陽の名所らしく行楽客もチラホラ見られる。

せっかく来たので、iPhoneのパロラマカメラで象潟海岸の全景を撮影してみた。
思った以上にこじんまりとした入り江だが、周囲の住宅と上手い具合に隔てられており雰囲気はピカ一。
ベンチに座って夕陽を眺めていると、次第に空が真っ赤に染まり始めた。


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真っ赤に染まった太陽がただっ広い日本海の水平線に沈んでいく。
こうして夕陽を見ていると、夏終わりの線香花火の最後というか、
燃え尽きて火玉が落ちるあの切なさが懐かしくなってきた。




「象潟海岸の夕陽(iPhoneで撮影)」

夕陽が沈みきったところで周りからささやかな歓声が上がる。
ずーっとのんびり海を眺めていたいが、あと少しで羽越本線の鈍行がやってきてしまうため、
夕陽が水平線に沈んだ後は道を引き返し象潟駅へ。
これから来る鈍行に乗らないと一時間半立ち往生することになるので、さっさと進んだ方が賢明だろう。



・羽越本線 [象潟~羽後本荘]
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17時09分に象潟を出る秋田行きは、奥羽本線110周年記念のラッピングを纏っていた。
その名も「なつかしのギャラリー列車」。3編成しか存在しない限定ラッピング車らしい。
車内には、鉄道全盛を偲ばせる写真が宙吊りで展示されていた。

車内は地元の学生で埋まっている。というか学生しかいない。
真っ暗になった日本海沿いを走り、象潟から数駅で羽後本荘へ到着となった。


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今日の鉄旅はここで一旦打ち切り。予約済みの駅前宿で一泊となる。
宿へ行く前に何か食べようと思ったが駅前に何もないため、キオ○クで夕飯を購入。
陸羽東西線も象潟海岸も良かったが今回の旅のメインは明日だ。さっさと支度を済ませ夜23時に就寝した。

次回!羽後本荘から第三セクターの由利高原鉄道に乗って、終点の矢島へ向かう!

由利高原鉄道の旅

「秋田ローカル鉄道旅 2日目 (羽後本荘~矢島~羽後本荘)」

[2015/10/17]

朝6時半、自前目覚ましが鳴り響く前に私は起床した。

何時も大体身体が疲れきってるから、目覚ましに叩き起こされしぶしぶ起床するのだが、
今朝は何時もと違って冴えていてすぐに眼が覚めた。早起きすれば良いことあるぜと信じて、
7時過ぎに朝食バイキングで腹ごしらえ。腹いっぱいに満たした後、私は改めて由利高原鉄道の時刻表を確認した。




由利高原鉄道。略して由利鉄(ゆりてつ)。羽越本線と接続する羽後本荘から矢島までを結ぶ第三セクター鉄道だ。
正式な路線名称は鳥海山ろく線といい、全長23kmに合わせて12の駅を有する盲腸線である。

かつて国鉄矢島線として健在していたこの路線は元々、羽後本荘から横手を経て太平洋側までを結ぶ計画があった。
その一大計画「陸羽横断鉄道構想」は、当時たびたび起こった天災が重なって夢のままに終わってしまう。
日本海側と内陸からともに線路を延ばして繋げようとしたが、内陸から延ばした路線はすぐに廃止されてしまい、
買収・国有化された日本海側の矢島線だけが、横断鉄道計画の夢残り盲腸線として生き残った呈だ。

盲腸線として存続することになった矢島線だが、旅客需要が伸びず85年になって早々に三セク転換されている。
「由利高原鉄道鳥海山ろく線」として生まれ変わった同路線は、今年2015年で開業30周年を迎えたらしい。




ツイッターやフェイスブックのアカウントもあり、ユーチューブの公式アカウントで動画配信までやってる!(汗)
こうしたネット情報発信の努力振りもさることながら、由利鉄は特別な列車を毎日走らせているから驚きだ。
その名も「まごころ列車」。車内におばこと呼ばれる女性アテンダントが乗務し、沿線の案内をしてくれるという。
この列車は一日一往復の運行で、現時点では9時53分発の羽後本荘行き10時46分発の矢島行きが該当する。

今朝何故か早起きしてしまった私は、何を血迷ったのか、
本来の予定を繰り上げて7時46分発の何の変哲もない鈍行に乗って矢島を目指すことにした。
朝食を食べた後はすぐにチェックアウトし、7時半に羽後本荘駅へ。

「これから出発する列車は団体さんが乗りますんで、乗る列車に注意して下さいね!」

由利鉄の窓口でフリー切符を購入後、改札を通り由利鉄の乗り場へ向かう。
団体さん……?乗る列車……?どういうことだ……!?



・由利高原鉄道鳥海山ろく線 [羽後本荘~矢島]
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なんじゃこりゃ!?

7時46分発の矢島行きは二両編成の気動車……なのだが、なんだこの萌えキャラは??w
まさか秋田にも"萌えラッピング車"があるとは思わなかったぞ。
由利鉄の全列車は「おばこ号」という愛称を持っていて、列車の種類も多種多様らしく、
数年前からは漫画のラッピング車も始めたという。コレがそれってことか。

以前は「釣りキチ三平」「宇宙戦艦ヤマト」のラッピングを纏っていたというが、
現在は「ゆりてつ~私立百合ケ咲女子高鉄道部~」のラッピングを纏って走っている。
"萌え列車"に乗るのは初めてなので何だか新鮮な気分だ。


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列車側面は私立百合ケ咲女子高鉄道部のキャラが華を添える。撮るのも恥ずかしくなってくるほどの萌え萌えぶりだ。
サンデーGXで松山せいじ氏が連載されていたこの漫画は生粋の鉄道フィーチャー漫画らしい。

「ゆりてつ」ネットの試し読みで読んでみたけど、内容は"鉄道版けいおん"って感じかな??


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後に連結された萌えラッピング車に対し、前に連結されているのが黄緑色の「宝くじ号」だ。
日本宝くじ協会が助成金で寄贈したイベント対応車で、列車側面には鳥海山が描かれている。
萌えラッピング車は団体客が貸しきるとのことなので、やむなく黄緑色の宝くじ号に乗り込んだ。

車内はロングシートだが、向かい合わせで木製のテーブルが一直線に並んでいる。正にイベント列車用って感じだ。
そしてロングシートにズラッと座っていたのは"アラ還"世代のオバちゃん達であった。
「すいませんー、ここどうぞー!」と一人分席を空けてくれたので、その席に私は座る。
何やらイベントが行われそうな様子だが、その最前列の席に私はいる!間借りしてるような気分だ。

普段は空いてるという同列車は、今日に限っては満席。前側の一般車にも団体客が乗り込んで大賑わいだ。
アラ還のオバちゃんパワーに飲み込まれながら、由利鉄の鈍行は羽後本荘を出発した。


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列車は発車すると羽越本線とともに進み、薬師堂を境に独り立ちする。
間もなくして臨時で同乗するおばこさんによるマイクパフォーマンスが始まった。
おばこさんの紹介から始まり、さらに同乗するゆりてつ社員さんからも挨拶が入る。
開業30周年の機運とともに拍手喝采に包まれると、もれなくパンフレットや飲み物が配られた。

てんやわんやに盛り上がる中、列車は子吉を出ると由利鉄唯一の峠に突入。
若干高度が高くなってきて、左手に展望の良い車窓が広がる。峠を越えると列車は小さな川を渡った。


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川を渡ったところでおばこさんから案内が入り、右手に鳥海山が姿を現した。
地元では秋田富士ともいわれる鳥海山は標高二千メートルを越える活火山で、日本百名山の一角である。
鳥海山は天気がいいときだけ見えるとおばこさんは言う。
今日は文句なしの快晴なので神々しい姿を存分に堪能できた。

「気持ちは何時も二十歳!」と豪語するおばこさんが秋田弁で乗客を笑わせているうちに、
列車はあっという間に半分の区間を過ぎた。本当にあっという間だ。


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……実は途中下車しようと思っていたのだが、もうすっかり団体のイベントに馴染んでしまっていて、
とてもそんなことできる雰囲気ではない。パンフレット、飲み物、ティッシュに続き、
手作りの乗車記念プレートまで頂いた。笑っちゃうほどの大盤振る舞いだ。

「ここは"特等席"ですのでコレもどうぞ!」「すいませんありがとうございます!」

"最前列の特等席"ということでおばこさんから最後に頂いたのは、乗車記念の硬券であった。
めっちゃ嬉しいわー!私が"隠れ鉄"であることを見抜いてるんだろうね(笑)
のどかな田園を走るうちに、終点はあっという間に近づいてきた。


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終点ちょっと手前でトンネルを潜ると、間もなく列車は終点の矢島に到着した。
大昔の鉄道計画通りに建設が進められていたら矢島から先も鉄路が続いていたはずだが、
残念ながら由利鉄の道のりはここまでだ。

到着すると、団体客がゾロゾロと外へ移っていく。駅入口には観光地へ向かうと思われるツアーバスが待機していた。
矢島駅周辺はこれといった名物がないらしい。滞在時間がそこまであるわけでもないので、
今回は駅周りを適当にブラブラ散策してみることにしよう。


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矢島の駅舎は真新しいつくりだが茶色い木造造りで趣が漂う。駅構内には売店や休憩スペースもある。
団体ツアーバスが発っていくと辺りはがらんどうとなり、"鉄"数人が取り残された。


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駅前から裏手に出て北上するとブチ当たったのが国道108号だ。
由利本荘~石巻を結ぶこの道を南へ辿っていけば、実は昨日通った陸羽東線の鳴子温泉に行き着くのである。

矢島の町並みをバックに相変わらず聳えているのが、雄大な鳥海山だ。
鳥海山は象潟を形成したルーツでもあり、紀元前に起きた大規模な土砂流出によって、
象潟の島々が形成されたのだという。象潟に存在した「潟」をつくったのはあの鳥海山だった、というわけだ。


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国道108号から鳥海山を眺めた後、私は缶珈琲を飲みながら矢島駅へ戻った。
しばらくすると羽後本荘行きの改札が始まる。
復路は念願の「まごころ列車」だ。



・由利高原鉄道鳥海山ろく線 (まごころ列車) [矢島~羽後本荘]
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9時53分発の羽後本荘行きは、一日一往復のみ運行の「まごころ列車」である。
先程の例外的サプライズの団体列車とは関係なく、9時53分発の羽後本荘行きはまごころ列車として毎日運行されるらしい。
単行の新型気動車だが、ささやかに専用のヘッドマークが付いているのがいい。
そして、ヘッドマークに華を添えるのは安定の萌えキャラである。

ヘッドマークの女性キャラは「やしまこころ」といい、一応公式のプロフィールでは、
由利高原鉄道の列車アテンダントという設定になっている。へーそうなんですかー(汗)


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先ほど乗った宝くじ号はイベント特化のロングシートだったが、これから乗る気動車はクロスシートになっている。
各座席にテーブルが設けられていて豪華!何処ぞのJRのピンク色気動車とは天と地の差である。

定刻が来ると、まごころ列車は僅かな観光客と"鉄"を乗せて発車した。
専属のおばこさんが、パンフレットではわからない地元のウンチクを案内していく。
しばらくすると、往路で貰った乗車記念プレートを再び頂いた。こんなサービス列車を毎日運行する由利鉄には恐れ入る。


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列車は矢島を出ると子吉川と平行して進み、エンジンを唸らせながらのんびり走っていく。
唯一の交換駅、前郷では全国的にも珍しいタブレット交換が行われる。
その模様を撮影しようと"鉄"が先頭部に集うが、交換はほんの一瞬であった。

近くの幼稚園児に見送りされながら前郷を出るとただっ広い田園地帯をひた走る。
すると田園の中にポツンとあるのが、由利鉄唯一の秘境駅として知られる曲沢だ。
おばこさんによれば「たまにここで降りていくマニアがいらっしゃる」のだという。
……すいません私、行きの鈍行であそこに降りようとしてましたわ(苦笑)


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鮎川を出るとちょっとした峠に差し掛かり、右手に眺望の良い車窓が広がる。
由利鉄唯一の峠を越えると、列車は子吉へ。駅舎内に郵便局が併設されている珍駅だ。
薬師堂を過ぎると由利鉄は羽越本線と合流した。ここまで来れば羽後本荘は目と鼻の先だ。


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10時34分、まごころ列車は終点の羽後本荘に到着する。由利高原鉄道の往復旅もこれで終わりだ。
おばこさんにお礼を述べた後、私は羽越本線の乗り場へ移動し、間もなくやってくる10時41分発の秋田行きを待った。

由利高原鉄道は前から気になっていた路線だが、行きの”サプライズ”もあって楽しかったぞ。
「ここはただの三セクじゃない!」と思わせてくれる価値と施策があちこちに見られたし、
駅員さんやアテンダントさんの"頑張ってる感"が素晴らしかった。
鉄道横断計画の生き残りとして頑張っている由利鉄に、皆さんも訪れてみては如何だろうか。

次回!秋田から奥羽本線羽後交通の路線バスに乗って、秋田内陸縦貫鉄道の起点角館を目指す!

羽後交通大曲角館線が行く

「秋田ローカル鉄道旅 2日目 (羽後本荘~秋田~大曲~角館)」

[2015/10/17]

由利高原鉄道を乗り通した私は、南からやってくる羽越本線の鈍行に乗って秋田へ向かった。
ロングシートのステンレス電車が秋田の平野をひた走る。
この区間は数年前に乗り通しているので、車窓にデジャヴ感を感じざるを得ない。
今日は土曜なので車内は行楽客で埋まっている。


・羽越本線 [羽後本荘~秋田]
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羽後亀田を出ると列車は日本海沿いに出る。一駅一駅進むごとに乗客が増えて、何時の間にか満席状態に。
東京では当たり前の4G回線も、この地では容赦なく3G回線に格下げされるようだ。
終いには立ち客も出て、列車は終点秋田に到着となった。

秋田駅は奥羽本線と羽越本線の他に、男鹿半島へ向かう男鹿線も直通で乗り入れている。
ロングシート鈍行地獄の秋田界隈でも、男鹿線は昔ながらの国鉄気動車だ。
奥羽本線や羽越本線も全部この気動車ならいいのにと思う。


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秋田からは奥羽本線に乗って内陸へ向かうが、ここに来て私は致命的な問題に直面していた。

「旅費が・・・旅費がねえ・・・」

そうなのだ。運賃や宿泊代は事前に用意するが、観光などで使う余分な旅費を今回は全く持ってきてなかった。
現状懐に残されているのは、秋田内陸縦貫鉄道の運賃と昼飯代と帰りの新幹線運賃を足した分のみであり、
その分を引くと、手元はリアルで数百円以下になってしまうというジリ貧状態に陥っていた。

このままでは夜飯にあり付けないし、秋田駅から遠いらしいみ○ほのATMに駆け込む時間も無い。
そこで短区間でも高運賃になってしまう新幹線を避けるため、私は昨日の宿滞在時に別の行程をおっ立てていた。
そのジリ貧突破ネタは後にとっておいて、今は取り敢えず奥羽本線に乗って大曲を目指そう。



・奥羽本線 [秋田~大曲]
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秋田からは間髪入れずに奥羽本線に乗り換える。11時38分発の新庄行き鈍行だ。
長大幹線の奥羽本線だが、この区間の鈍行は1日10本以上あり乗り継ぎには困らない。
車両は相変わらずピンクのステンレス電車だが、こちらは一部の座席がクロスシートになっている。

奥羽本線の内陸区間は未開地でまだ一度も行ったことがない。
列車は秋田を出ると市街から田園に出て、甲高い音を立ててかっ飛ばす。
峠もある奥羽本線だがこの区間の道のりは至って平坦だ。進むごとに車内はガラガラになってきた。


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和田を過ぎると人家が少なくなり、鬱蒼とした山あいを突き進む。
次第に上り勾配へ差し掛かるが、軽快な電車なので上ってる感覚は希薄。
沿線沿いは特に景勝地たる場所が存在しないが、すっかり紅葉した山々が車窓を彩っている。

しばらくすると山あいを抜けて刈和野へ到着。対向列車待ち合わせのため5分停車となった。
刈和野から先は何の変哲も無い郊外のようだが、広大な田園の向こうに内陸の山々が見えた。


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この区間の奥羽本線は新幹線用の線路と鈍行用の線路に分かれていて、線路の幅も少し違う。
俗に鉄用語で言う「標準軌(1435mm)」「狭軌(1067mm)」ってやつだ。
標準軌は日本の新幹線で使われている線路幅で一部私鉄でも採用されている。国際的に最も一般的な線路幅だ。
しかし大隈重信の致命的な知識不足によって、日本国有鉄道の規格は狭軌に決められてしまった。

当時の狭軌決定に関する公的資料は全く残されてないらしいが、
大隈重信自身がそもそもゲージの意味すら知らなかったという逸話が残っている。信じられない話だが。
鉄道知識が貧弱だった当時の国有鉄道は、外国からのおまかせで決めるしかなかったのだろうか……。


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12時40分、奥羽本線の鈍行は大曲へ到着する。大曲からも鈍行に乗って先を進みたいところだが、
残念ながら田沢湖線は新幹線が完全優勢となっている。とにかく鈍行の本数が殺人的に少ないのだ。
時刻表を見ると、この区間の鈍行は1日7本しか走ってない。

次に出る田沢湖線の鈍行は2時間後だ。この鈍行では、どう頑張っても秋田内陸縦貫鉄道の紅葉列車に間に合わない。
そこで私が急遽考案したのが、鉄道と並行する路線バスを利用する行程であった。
今回は大曲と角館を結ぶ羽後交通大曲角館線に乗って角館を目指そう!


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新幹線機運に逆らう如く、私は大曲駅から歩いて羽後交通のバスターミナルへ向かった。
大曲駅西口から徒歩2分のところに羽後交通のバスターミナルはある。大曲と角館を結ぶとはいえ、
バス自体は大曲駅前から発するわけではないから注意したいところだ。



・羽後交通大曲角館線 [大曲バスターミナル~角館駅前]
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羽後交通の大曲角館線は、田沢湖線と並行する国道を走る実直なバス路線だ。
秋田最大の規模を誇る羽後交通の主要路線であり、大曲バスターミナルを起点として、
羽後長野駅と角館駅を経由し終点の角館営業所へ向かう。現時点では1日最大13本運行されている。

大曲~角館間は、秋田新幹線だと運賃と指定席券代合わせて1590円かかってしまうが、
並行するこの路線バスを利用すれば510円で済む。本数も田沢湖線の鈍行より多いようだ。
所要時間は約40分。発車10分前にバス停に向かうと既にバスが停まっていた。
何てことないワンステップバスだ。でもこの実直さが、またいい。

天下の新幹線に負けられない、意地(というか金がなかっただけ)のバス突破行程が今始まる。
13時発の角館営業所行きは、たった4人の乗客を乗せて定刻通り発車した。


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バスは駅前通りを出ると国道105号に入り北上。
進むうちに地元客が少しずつ乗ってくるが、観光需要がないのか旅行客は私一人だけだ。
国道に入って間もなくバスは奥羽本線の線路を渡った。


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内陸の田園を突っ走り、しばらくするとバスは裏道に入って羽後長野駅前へ到着する。
羽後長野駅前を出ると裏道から再び国道に戻って、一路ひた走っていく。

玉川を渡ると、バスは律儀に辿っていた国道105号から裏道に入りソロソロと走る。
乗客がバスを降りると発車時に警笛を鳴らすのは、羽後交通の決まりなのだろうか。
狭苦しい裏道を辿り駅前通りを過ぎると、バスは定刻通り角館駅前に到着した。


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ありがとう、大曲角館線!

僅か二人を降ろすとバスは角館営業所へ向かっていった。なかなかグッジョブな路線だったと思う。
なんせ、このバスが無ければお高い新幹線に乗らざるを得なかったんだから。

角館は「みちのくの小京都」と呼ばれる地で、近くには武家屋敷があるという。
武家屋敷とやらも見てみたかったが、時間の都合上無理そうなので今回は我慢。
腹が減ったので駅近で美味しい店がないか探してみると、本格的な蕎麦屋さんがあるというので行ってみることに。


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駅前通りをトボトボ歩き武家屋敷がある方へ向かうと、10分ほどでお目当ての店を発見した。
「角館そば」。見かけは由緒正しい蕎麦屋さんだ。

限定物に弱いので土日限定の「田舎そば」を注文してみる。
非常に上品なそばで、そば素人の私にはちょっと本格的すぎる味わいだ。
追加注文しようと思ったが旅費が底を尽きていたので我慢。完食後はやむなく店を出た。


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そばを食した後は角館駅へ戻りキ○スクで今日最後の食料となる駅弁を購入。
これで手元に残された余分な旅費は500円をきった。まあ……なんとかなるだろう。

秋田内陸線の列車出発までちょっと時間があるので駅前を探索してみると、
農業センターの支店と思われる建物に、コレまた萌え~な女性キャラを発見した。
調べてみると彼女の名は「おばこ娘」というらしい。農業協同組合の公式キャラクターである。
農協のキャラクターにしては随分萌え度が高い気がするな……普通にギャルゲーとかに出てきそうw


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駅前ロータリーの真ん前に構える田沢湖線の駅舎に対し、秋田内陸縦貫鉄道の駅舎はこじんまりとしている。
今日は紅葉列車の運行日なので観光客でごった返すのかと思いきや、そんなことはなく思った以上に閑散としている。
意外と穴場なのかもしれない。

路線愛称に「♥」が付く恥ずかしの三セク鉄道で、今回のローカル旅はもう一つの佳境を迎える。
次回(最終回)!角館から秋田内陸縦貫鉄道の紅葉列車に乗って、一路弘前へ向かう!

森吉山麓紅葉号に乗って

「秋田ローカル鉄道旅 2日目 (角館~鷹巣~弘前~新青森~東京)」

[2015/10/17]

これから乗る秋田内陸縦貫鉄道は「あきた♥美人ライン」という愛称が付いている。
「♥」(はぁと)はもちろん正式な表記で私が悪ノリで勝手に付したものではない。

この愛称は2012年に公募によって決められたのだという。




秋田内陸縦貫鉄道秋田内陸線。角館から秋田の内陸を縦貫し鷹巣までを結ぶ、第三セクター鉄道である。
全長100km近くにも及ぶこの路線は、国鉄時代は二路線(阿仁合線・角館線)に分断されていた。
鉄道建設の大元となる鉄道敷設法によれば「秋田県鷹ノ巣ヨリ阿仁合ヲ経テ角館ニ至ル鉄道」として定められ、
まず1934年に鷹ノ巣から線路を延ばして阿仁合線が開業した。
阿仁合線の開業に続き、70年代に入ると角館からも線路が延ばされ角館線(角館~松葉)が開業する。

この南北の二路線は後に一つの路線となって繋がる構想だった。しかし、その夢は国鉄時代には叶えられずに終わった。
80年代に入ると国鉄はジリ貧となり、地方ローカル線を特定地方交通線に指定して次々と廃止・転換していったのだが、
阿仁合線・角館線も特定地方交通線に指定され、進んでいた未開業区間の工事が凍結してしまったのである。
しかし地元の熱意もあり、1986年の三セク転換後に凍結していた未開業区間の延伸工事を再開。
やがて1989年、かつての構想どおり全線が開通し秋田内陸縦貫鉄道は誕生したのだった。


Singles Going Steady

全通から四半世紀が経過した今、秋田内陸線はギリギリの経営状態ながら秋田の名物として健在していて、
AKBから演歌歌手に転身した岩佐美咲のソロデビュー曲「無人駅」のPVにも登場している。
PVの舞台は秋田だが岩佐美咲は千葉県流山市出身らしいw。ちょっと意外。

角館駅内で片道全線切符を購入し、私は臨時列車のもとへ向かった。
小さな乗り場に停まっていたのは年季の入った二両編成の気動車だ。



・森吉山麓紅葉号 [角館~鷹巣~弘前]
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森吉山麓紅葉号は、秋田内陸縦貫鉄道が毎年秋に限定運行している臨時快速列車である。
秋田の紅葉盛りとなる10月土休日に増発されるこの列車は、
奥羽本線の弘前を起点として鷹巣を経由し、秋田内陸線の全線を走破する直通列車だ。
コレに乗れば弘前~角館間を一本で行くことができる。

秋田内陸線の本数は非常に少なく、その多くの列車が阿仁合を起終点としている。
現時点で全線を走り切る鈍行は往路復路とも1日4本のみ。旅の行程に組み込むには厳しいダイヤとなっている。
今から乗る復路の森吉山麓紅葉号は、14時41分に角館を出発し4時間弱かけて終点弘前へ向かう。
列車種別は「快速」となっていて急行料金は必要ない。大盤振る舞いの見本のような列車である。

車両は先頭部が流線形になっている二両編成の気動車で、車内は転換クロスシートがズラッと並ぶ。
車内中央部にはサロンスペースもある。以前急行にも使われていたこの車両、今は臨時列車のみで使われているという。
予想以上に閑散とした中で写真を撮った後、ソロソロと流線形気動車に乗り込んだ。


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森吉山麓紅葉号の車内はこんな感じ。秋田内陸線全通から走り続けてきた車両で年季が滲み出ているが、
私は寧ろ長年の年季が醸し出す味が好きだ。座席もJRの電車とは比較にならない快適さ。
定刻がくるとディーゼルエンジンを唸らせ、森吉山麓紅葉号は角館を出た。

列車は角館を出ると田沢湖線と分かれ、一路北上する。右手には奥羽山脈が聳える。
紅葉列車らしく、女性アテンダントが車窓を詳細に案内してくれるが、
そのアテンダントさんによると、これから内陸線は標高300mまで上っていくらしい。


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往路はどうだったのかわからないが、復路の紅葉号はガラガラである。

角館から三駅隣の八津で対向列車待ち合わせのため、数分停車。
こっちはガラガラなのに、対向から来た気動車はめちゃくちゃ混雑していたからびっくりした。


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八津から内陸線は鬱蒼とした山あいに入り、両側に紅く染まった山々が見えてきた。
旧角館線の終着駅だった松葉を過ぎ、桧木内川と交差しながら秋田の山間部へ入っていく。

松葉からしばらく先は紆余曲折の果てに開通した新線区間だ。
戸沢を出ると列車は市境の峠を貫く十二段トンネルに入る。県内最長のトンネルである。
長大トンネルを抜けると阿仁マタギに到着。この辺りから紅葉が素晴らしくなってきた。


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紅葉号ではアテンダントさんによって車内販売が行われるらしい。
完全に旅費が限界だが、何も買わないわけにもいかないしなんとなく流れ的にマズイ。
取り敢えずりんごのお菓子を一つ買うことにした。県内産のりんごを使ったノンフライチップスだ。

「すいません、実はもう帰りの新幹線の分しか旅費が残ってないんですよー、ハハハ……」
「そうですか、大変ですね~。……何処からやって来られたんですか??」
「東京から来ました。明日から仕事なので、今夜新幹線で東京に帰ります」
「そうですかー、これから先で紅葉が綺麗になってきますので、楽しんでいって下さいね~」

おしとやかなアテンダントさんは、東京では醸し出せない奥ゆかしい雰囲気を纏っていた。


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何時の間にか並行する川は渓谷へと姿を変え風光明媚な景色が展開する。
奥阿仁を出てしばらくしたところでは、内陸線の名物である比立内橋梁を渡る。
観光列車らしく橋に差し掛かるとゆっくり徐行し、右手に渓谷の絶景が広がった。

比立内橋梁の絶景を過ぎると、旧阿仁合線の終着駅だった比立内に到着する。
ここで再び対向列車待ち合わせのため数分停車となった。
比立内からは旧阿仁合線の区間へ入る。渓谷の脇を縫うように進み、
もう一つの名物として知られる大又川橋梁に差し掛かると再び徐行。右手に現れたのは二重の道路橋が重なる絶景だ。


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眼下を流れるのは風光明媚な阿仁川。
内陸線最大の景勝地として、この橋の景色は広告でよく使われるという。

鉄路と同じ高度で架かっているのが国道105号で、その下に架かってるのが国道以前から存在する旧道である。


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どうやら、復路のアテンダント常務は阿仁合までらしい。
二つの名物橋梁を過ぎいくつか駅を過ぎると、列車は拠点となる阿仁合へ到着。
「ありがとうございました~」とアテンダントさんが別れの挨拶を交わし、列車を降りていった。

16時過ぎ。数分だけ停車した後、紅葉号は定刻通り阿仁合を出る。
阿仁合から列車は阿仁川の脇を走り、左手に川沿いの風景が広がるようだ。


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ここまで来ても車内は相変わらずガラガラ。
アテンダントさんがいるといないとでは、やっぱり雰囲気がガラッと変わる。
華やかな紅葉列車というよりは哀愁のローカル列車だ。車窓案内もなく淡々と川沿いをひた走っていく。

阿仁前田で観光客が3人だけ乗り込んできた。
左手に広がる雄大な阿仁川の景色は、宗谷本線の天塩川とシンクロするものがあった。


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阿仁前田からも阿仁川の風景が続くが、米内沢を出たところで列車は川沿いを離れた。
米内沢からは人家が多くなってきて、素朴な平野をひた走りに走っていく。
合川で対向列車待ち合わせのため数分停車。対向の鈍行は地元の学生で埋まっていた。

ここまで来れば内陸線の道のりもあと少し!
終点近くでは夕日が没する瞬間が拝めた。正に絶好のタイミングだ。


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16時53分。奥羽本線と合流すると、列車は秋田内陸線の終点鷹巣へ到着となる。
紅葉号はこの先で奥羽本線に入り弘前へ向かうが、
線路や列車の運用の都合上、内陸線は奥羽本線にすぐ直通ができない。
そのため、この駅では30分強かけて列車の入替作業を行うらしい。

鷹巣に列車が到着すると、まず内陸線のホームに入線して降車客を降ろした。
内陸線のホームで数分停車した後、列車は一旦バックし内陸線の線路上で長時間停車する。
線路内で10分ほど停車した後、列車は奥羽本線の線路に入りJRのホームへ入線した。
あとはこのまま奥羽本線を進み、終点弘前を目指すのみである。


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紅葉号は鷹ノ巣を定刻通り出ると、日が暮れ真っ暗になった中を駆け抜けていく。

外は何も見えなくなってしまったので、今日最後の食料となる駅弁を食べることにした。
車窓を眺めながら食べるのが乙だが、私の場合、日中はレポに全てを注ぐため食べる時間がない(メタ発言…)。
あきたこまち弁当。シンプルな幕の内弁当だが、下手に凝ってるより気を衒わない弁当が個人的には好きだ。


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17時45分に列車は大館に着く。向かいのホームには花輪線の鈍行が停まっている。
名ばかりの快速が横行する作今だが、紅葉号は最初から最後まで停車駅が少なくて良い。
碇ヶ関の到着は18時06分で、18時16分に大鰐温泉を出た。4時間弱の道のりもあと少しだ。

この区間の奥羽本線は普段、JRのロングシート電車で耐え忍ぶ乗り鉄泣かせの区間だが、
今乗ってるのは内陸線が誇る快適気動車である。その手堅い走りを今回は味あわさせて頂いた。


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「弘前、到達!!」

18時28分、森吉山麓紅葉号は終点の弘前へ到着した。
どうせなら青森まで走ってほしいが、森吉山麓紅葉号の役目はここ弘前までだ。
10分後に発車する青森行きに乗るため、紅葉号に別れを告げた後はすぐに3番線へ向かった。

秋田内陸縦貫鉄道の車窓で展開したのは、懐の深い山岳路線としての景色だ。
秋田の内陸の険しさは伊達ではなく、峠を長大トンネルでぶち抜いた先には想像以上に深い渓谷があった。
存廃論も飛び交う秋田内陸線だが、あの風光明媚なローカル車窓が見れなくなるのはもったいない。
行く先厳しい経営状態が続くと思うが、何とか存続していけないものかと願うばかりだ。



・リゾートしらかみ5号 [弘前~新青森]
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弘前からは、まさかのリゾートしらかみ号で新青森へ向かう。今回の旅の最後を飾る列車である。
18時42分発のリゾートしらかみ5号は4両編成の気動車。秋田から五能線を経由して遥々やってきた奴だ。
派生列車のリゾートみのり号と同じく座席はシートピッチの広いクロスシートで、展望スペースもある。
弘前から青森までの所要時間は40分ぽっきり。最後のおまけ行程だが、コレが結構馬鹿にならない。

車内はガラガラで1号車には私を含めて二人しか乗ってない。
真っ暗闇の中をひた走り、40分後に東北新幹線と接続する新青森へ到着。
リゾート列車に始まりリゾート列車に終わるという、贅沢な臨時列車の行程を無事全うした。



・はやぶさ38号 [新青森~東京]
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「東京へ、帰ろう!」

19時44分発のはやぶさ38号は新青森を出る東京行きの最終便だ。この列車は盛岡まで律儀に各駅へ停車する。
帰路は夜行バスを利用しようと思っていたのだが、予想以上に疲れてしまったので新幹線を選択。
数年前までだったら「あけぼの」に乗る選択肢もあったが、今はそうもいかない。専ら新幹線に頼るしかないのだ。

行楽客とすっかり腹ペコになった私を乗せて、最終はやぶさ号東京行きは一路東京へ向かった。

・旅の総費用:38920円(秋の乗り放題パス+指定券代+新幹線運賃+三セク運賃+バス運賃)
・乗った乗物の数:鈍行7本+快速3本+バス1本+新幹線2本
・総距離/所要時間:約600km/1泊2日


結構費用(主に新幹線代)がかかってしまったが今回の秋田ローカル鉄道旅は大成功した。
コンセプト的にも良い感じに収まったと思うし、臨時列車づくしだったから楽しかったぞ。
起伏に富む陸羽東西線、由利高原鉄道でのサプライズ、秋田内陸縦貫鉄道の絶品車窓。
小出し気味で全五記事に及ぶ内容になったが、本稿で秋田ローカル鉄道旅を終幕する!
(完結)


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