鈍行列車一人旅

よく電車とバスに乗って旅してます。鉄分多めの旅ネタが主。
鈍行列車一人旅 TOP  >  銚子日帰り下車旅

スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

関東最東端の駅、海鹿島へ

「銚子日帰り下車旅 1/3 (新松戸~千葉~銚子~海鹿島)」

[2015/1/31]

何でもかんでも最端にすればいいってもんじゃない。
しかし、日帰りで行ける最果ても悪くないと考えた。
国鉄最四端は一ヶ月前に制覇したが、日本の最端はまだまだそこらにあるので懲りずに鈍行で行ってみよう!
やっぱり、鈍行で行ってこその最果てだ。


・計画~導入


今回の旅の目的地は「関東最東端の駅」である海鹿島だ。
海鹿島は銚子電鉄の途中駅で、関東地方にある駅の中では最東端に位置している。

出発地は何時も通り新松戸。関東最東端まで約120kmの道のりとなる。
まず新松戸から武蔵野線に乗って西船橋へ行き、総武緩行線に乗り換えて千葉へ向かう。
千葉からは総武本線で終点銚子を目指す。そして銚子で銚子電鉄に乗り換え、関東最東端駅の海鹿島へ。
海鹿島到達まで3時間強の道のり。海鹿島に着いた後は犬吠埼へ向かう予定だ。

午前9時半に新松戸へ向かい券売機で銚子までの切符を購入。運賃は片道1940円だ。
昨日は珍しく雪が降っていたが今日は文句無しの快晴。
ただ昨日からの冷たい風は相変わらずで、真冬の北風が吹き荒ぶ。
しかし一ヶ月前に行った最北稚内と比べりゃ関東の寒さなど敵じゃない!



・武蔵野線 [新松戸~西船橋]
P1310015.jpg

関東最東端への道のりは土日も混雑する武蔵野線から始まる。
南船橋行きは子供連れ(とギャンブルの親父)が多く、賑やかである。
武蔵野線は都心~地方へ向かう幹線に乗り継ぐのに不可欠な路線となっているが、
直通する京葉線とともに高架区間が多いため、雨風が強まるとすぐに運転見合わせとなるのが悩みの種だ。

現在の武蔵野線の主力車両はVVVF改造された205系である。
最近209系のお古が入ってきたというが本数が少ないのか滅多に見かけない。
お下がりからお下がりへ車両が移り変わっていく様は、同じオレンジ色の中央線とは格が違うね!



・総武緩行線 [西船橋~千葉]
P1310016.jpg

西船で黄色の総武緩行に乗り換え緩行電車の終着千葉へ向かう。
総武緩行は錦糸町で総武本線を離れ、御茶ノ水から中央線の緩行電車として働いている。
中央線といえばオレンジ電車なので、黄色い電車は「中央線内でも総武線」という認識が強いのだとか。

千葉までは延々と住宅地が続くため車窓は面白みがない。
西船から20分強で終着千葉へ到着する。



・総武本線 [千葉~銚子]
P1310017.jpg

千葉からは総武本線の鈍行に乗って銚子を目指そう。車両は209系。短い4両編成での運転だ。
東京~千葉の複々線から総武本線の終点まで行く列車は一本もないので、
銚子へ行くには千葉で必ず乗り換える必要があるのだ。

総武本線に「本線」が付いた大元は、明治42年(1909)に鉄道院が制定した国有鉄道線路名称にある。
これは当時国有化された鉄道路線を名称付けしたもので、民営化以後のJR各社にもほぼ引き継がれた。
国有鉄道線路名称は23部72路線に分類され、各地域の路線ごとに包括された「部」に分かれているのだが、
このうち総武本線は「総武線の部」を代表する路線となっているのだ。

「総武線の部」

・総武本線(東京〜銚子・錦糸町〜御茶ノ水)
・京葉線(東京〜二俣新町〜蘇我・市川塩浜〜西船橋・西船橋〜南船橋)
・外房線(千葉〜大網〜安房鴨川)
・内房線(蘇我〜木更津〜安房鴨川)
・成田線(佐倉〜成田〜我孫子・成田〜松岸・成田〜成田空港)
・鹿島線(香取〜鹿島サッカースタジアム)
・久留里線(木更津〜上総亀山)
・東金線(大網〜成東)
・木原線(大原~上総中野)←1988年に第三セクター(いすみ鉄道)に転換



民営化以後この名称一覧は公式に使用されてないが、「総武線の部」に包括される路線は上記の9路線がある。
これら全ての路線を代表する路線として総武本線は「本線」の称号が与えられたのであった。
しかし今、案内上「総武本線」と名乗っているのは千葉以東の区間のみである。



P1310021.jpg

「7番線に到着の列車は、総武本線の各駅停車銚子行きです!千葉を出ますと、
東千葉!つぅ~~がぁ~~~!よぉ~つぅ~かぁ~いぃ~どうぅ~~~!物井!佐倉の順に停車致します!
ご利用の方はお早めにご乗車下さい!ハイ、銚子行き間もなく発車致します!
駆け込み乗車はお止めください!次の電車をご利用ください!ハイ発車しまーす!!」

千葉駅は自動放送が地元の苦情で廃止されたためか駅員がクドイほどに煽る。
ひたすら煽ってガミガミまくし立てるのである。これは他の駅にない特徴かもしれない。
都賀と四街道だけ思わせぶりに語尾たっぷりなのは駅員さんの癖なのか?(笑)





列車は千葉を出るとしばらく住宅街を進み、四街道あたりから田畑が現れ始める。
閑散とした田園地帯を走り、短い隧道を抜けると間もなく佐倉へ到着。

ここから総武本線は単線となり、本数の少ないローカル線となる。



P1310025.jpg

佐倉からは長閑な風景が続き単線をひた走っていく。
総武本線沿いはもっとバリバリ住宅地だと思っていたが、車窓は予想以上に長閑な風景だ。
八街(やちまた)という難読駅で地元客がドッと降り、混雑していた車内が空いてきた。
日向と書いて「ひゅうが」と読む駅で数分停車し、一駅隣の成東では東金線と接続する。



P1310029.jpg

成東からも相変わらず長閑な風景を走っていくが、瓦屋根の民家が多くなり本格ローカルの様相を呈する。
真っ直ぐに伸びた一本の線路は本線というより完全にローカル線の趣である。
古びた駅舎が味わい深い松尾を出て、住宅が増えてくると横芝に到着。
成田線もそうだが、総武本線も激渋の駅名が多いと思う。





八日市場で再び乗客が増えた。終点の銚子まであと30分強。
八日市場からはしばらく住宅地をひた走るが、を過ぎたところで人家が少なくなる。
成東から銚子まで太平洋沿いを走る総武本線だが海から5kmほど離れているため海を拝むことは出来ない。



P1310035.jpg

飯岡を過ぎると小高い丘陵地帯へ突入し、隧道と切り通しを抜けて倉橋へ向かう。
倉橋は野山の無人駅だ。倉橋から松岸まではカーブで丘陵を切り抜ける。

進行方向左手には、風力発電のプロペラが立っているのが見える。
侘しい野山を抜けると成田線と交わる松岸へ到達。
ここまで来れば「関東最東端の街」はすぐそこだ。



P1310037.jpg

やがて千葉から1時間40分で終点の銚子に到着した。
ここからは銚子鉄道だ。銚子鉄道のホームはJR側ホームの端にある。



・銚子電気鉄道 [銚子~海鹿島]
P1310038.jpg

銚子電気鉄道、略して銚子鉄道は総武本線と接続する銚子から外川までを結んでいる。
関東最東端の地方ローカル線であり、全長6.4kmの単線に合わせて十の駅がある。
開業は大正12年(1923)と古く、鉄道輸送の他に副業として食品製造も行っている。

銚子電鉄はかつて、厳しい経営状況から「運行休止」の危機に陥ったことがあるらしい。
どうしようもない事態に陥った2006年、銚子電鉄は公式ホームページに以下の呼びかけを公表した。

「電車修理代を稼がなくちゃ、いけないんです。」

会社が危機に瀕している状況がひしひしと伝わるこの衝撃の一節は、公表されると瞬く間にネット上に拡散。
そしてネットを通じて危機を知った人々が、同社が製造する名物「ぬれ煎餅」を大量注文したのである。
ネットで話題になっていることがわかるとマスメディアも一斉に報道し、ぬれ煎餅の注文は殺到。
一時は生産が間に合わず注文ストップとなり、売れに売れたという。


P1310044.jpg

少し前まで銚子電鉄は嘘みたいに年季の入った旧型電車(乗りたかった!)が走っていたが、
老朽化が限界に達したため全て引退済。現在走っているのは昭和に活躍した他社車両のお古である。
これから乗車するのは京王・伊予鉄道で活躍していた2000形。塗装も京王時代のグリーン一色を再現している。

どうやら銚子駅に銚子鉄道用の改札はないらしく、車掌が切符の販売を行うみたいだ。
車内は至って空いており地元の人と観光客が半数ずつといった感じか。
13時00分、外川行き列車が定刻から少し遅れて発車した。



P1310045.jpg

列車が発車してから、海鹿島までの切符を購入するため車掌さんに声をかけた。

「すいません、うみかしままでお願いします」
あしかじまですね、240円になります」

あぁ~肝心なところで間違えちまった!なんと海鹿島は「あしかじま」と読むらしい。
絶対「うみかしま」だと思ってたのに、余計恥ずかしい。
地味ながらも難読レベルじゃないか?この駅名は。



P1310049.jpg

沿線は住宅も多いが畑が点在していてのどかな風景が広がっている。
列車の速度はのんびりしていて、頑張れば自転車でも追い越せそうな速度だ。
本銚子あたりで上り勾配になり左手にそこそこ展望のよい景色を見ることができる。



P1310051.jpg

のんびり走る列車に揺られること十分強、列車は関東最東端駅の海鹿島へ到着した。
降りたのは私一人だけ。駅周りは閑静な住宅地である。

ホームへ降り立つと車掌さんの集札を受け、間もなく走り去っていった。



P1310050.jpg

ホーム上には、関東最東端の駅であることを示す碑がある。
碑そのものは新しく最近に建てられたもののようだ。
こうして碑が建ってると到達したことの喜びをダイレクトに感じられて良い。

ただ、結果的に出発から到達まで3時間強しか経ってないので、
「関東最東端、来たぜ!」ってほどのテンションにはならないのが正直な本音だ(苦笑)



P1310059.jpg

海鹿島駅の全景はこんな感じ。ジオラマのようにこじんまりとした無人駅である。
ホームの簡易トイレを利用しようと思ったが、どうも使えないっぽいのでスルー。
年季の入った木造駅舎は手入れが行き届いており、構内壁には地元の広告が沢山貼られていた。



P1310058.jpg

萌え広告キターーーーーッ!!

萌え~な広告が多いほど、その鉄道会社は厳しい経営状態にあるという現実が透けて見えてしまう。
地元利用客のみで地方ローカルの鉄道はとてもやってけないからだ。
萌えキャラ活用の地域起こしは良いんだけど電車には塗ってほしくないんだよねー。鉄オタ=アニオタみたいになるから。
萌えキャラの正体については、次回の記事で取り上げようと思う。

「俺はアニオタでもないし鉄オタでもない、乗り鉄なんだ!」とどうでもいい自問自答を繰り返しながら、
私は駅前から徒歩で、関東最東端の岬「犬吠埼」へ向かった。

スポンサーサイト

銚子の岬巡りと犬吠駅

「銚子日帰り下車旅 2/3 (海鹿島~犬吠埼~犬吠~長崎鼻)」

[2015/1/31]

千葉北西から鈍行を乗り継ぎ「関東最東端の駅」海鹿島へやって来た私は、
さらに端っこの地へ向かうべく、駅前から関東最東端の岬「犬吠埼」へ向けて出発した。

犬吠埼の最寄りは犬吠駅(徒歩10分)だが、海鹿島駅からでも歩いて行けないことはない距離だ。




関東最東端の駅から関東最東端の岬へは約2.5kmの道のりである。
最端から最端へ行く「最端妙味」に今回は拘ってみた。日帰りながら最果て三昧!
路線バスも利用してみようと思ったが、鉄道と上手く噛み合わないので断念。
銚子鉄道の駅を拠点として散策するプランを立てれば、それで十分な気がした。



・海鹿島駅~海鹿島海岸(徒歩)
P1310061.jpg

海鹿島駅前は意外と交通量が多く最果て感が薄い。
駅前から道を北東に進むと突き当たりに出るが、そこを右に曲がって進んでいくと海の方へ行ける。


P1310063.jpg

Googleマップを頼りに道を進んでいくと、道の先に太平洋が見えてきた。海鹿島海岸だ。
海鹿島一帯は風光明媚な風景で知られ、その昔多くの文豪が滞在したことでも有名である。


P1310073.jpg

千葉東部の海岸といえば代わり映えのしない景色を想起させるが、
海鹿島海岸は思った以上に情緒深い景色が広がっている。
辺りは人っ子一人いない。隠れ名所的な雰囲気が漂ってるな。
海岸には民家(?)の廃墟もあり、侘しさを一層醸し出している。

銚子といえば犬吠埼が有名だから、そっちに観光客が流れてしまうのだろうか。



・海鹿島海岸~犬吠埼(徒歩)
P1310095.jpg

ひっそりとした海鹿島海岸から犬吠埼へ向けて君ヶ浜沿いを南下していく。
さっきの情緒ある風景とは打って変わり、浜は侵食防止のためのコンクリートで塗り固められていた。
この辺りは海流が複雑らしく波は高く荒い。コンクリートでがっちり固められるまでになったのも納得。

父がアウトドア好きで少年時代よく海(茨城沿岸)に遊びに行ったが、
行くところはこういった整備された海水浴場じゃなかったから怖かった記憶がある。
荒波にさらわれて死にかけたこともあったなー。素のままの自然と戯れるのは危険が付き纏うのだ。


P1310092.jpg

豪快に波打つ太平洋の向こうに旅の目的地である犬吠埼が見えてきた。
犬吠埼は日本で一番早く初日の出が見られる場所として有名で、元旦には多くの人が訪れる。
あの岬に建つ犬吠埼灯台は歴史的価値が高く「世界灯台100選」にも選ばれている有名な灯台だ。



・犬吠埼
P1310108.jpg

君ヶ浜沿いをひた歩き、海鹿島から30分で犬吠埼へ。
犬吠埼へ近づくごとに人気が多くなり、駐車場にはそれなりに車が止まっていた。
灯台近くには地元の飲食店やお土産屋が数件あるようだ。



P1310113.jpg

銚子自体は何回か訪れているが犬吠埼へ来たのは初めて。
犬吠埼灯台はいかにも「灯台」といった立派な姿で、日本に5つしかない第1等灯台の一つらしい。

この灯台が建てられたのは今から約140年前(1874)のこと。煉瓦建造物として国内第二位の高さを誇っている。
日本製の煉瓦19万3000枚によって出来ており、二重構造にすることで丈夫なつくりになっているという。
海の難所とされる犬吠埼一帯で、この灯台は一世紀半ずっと風雨に耐え続けてきたすごい奴なのだ。


P1310111.jpg

犬吠埼灯台は一般公開されており、参観料を支払えば灯台の上まで登ることもできる。
灯台裏まで続いている遊歩道が気になったので、行ってみることに。



P1310125.jpg

関東最東端グッジョブ!!

自撮りもやってみたいがこっちの方が手軽でいい塩見だ。自撮りって痛々しいイメージがあるので。
遊歩道の先にあった何のことない岬の景色。でも、一応ここが関東の東の最果てなのだ。
絶壁の向こうは太平洋が広がるばかりで、青い空と海以外は何も見えない。

太平洋の遥か向こう、距離にしておよそ8400kmのところにはアメリカ大陸がある。
犬吠埼から真っ直ぐ東に進路をとればサンフランシスコやロサンゼルスにぶつかるから驚きだ。

……犬吠埼とアメリカ西海岸って全然接点を感じないけどね(笑)



・犬吠埼~犬吠駅(徒歩)
P1310131.jpg

関東最東端の景色を堪能した後、キリのいいところで犬吠埼を出発する。
次は銚子電鉄の観光拠点「犬吠駅」を探索してみよう。
犬吠駅は犬吠埼から徒歩10分のところにある。

犬吠埼周辺は観光施設が充実していて大型飲食店やホテルが立ち並んでいる。
海沿いの県道を進み裏道へ入っていったところに銚子電鉄の駅はあった。



・犬吠駅
P1310132 (2)

犬吠埼からほどなくして犬吠駅へ着く。
駅舎はポルトガルの宮殿を模した独特のつくりで「関東の駅百選」にも選ばれている。

立派な宮殿風駅舎が完成したのは1990年で、駅構内にぬれ煎餅の売店も併設されている。
当初「燈台前」と名乗っていたこの駅は、銚子電鉄が観光路線として売り出してから最大の観光スポットとなっている。
以前は駅前広場に旧型電車を利用した喫茶店もあったらしいが、
老朽化が進んでいたため、2012年に解体処分されてしまっているのが残念。


P1310137 (2)P1310135.jpg

ヨーロッパ風の駅構内は天井が高く広々としていて気持ちいい。
売店には様々なものが売られており、普通のお土産や鉄心を刺激するグッズもある。
ただ銚子電鉄といえばやっぱりぬれ煎餅なので、10個入りのぬれ煎餅袋を購入した。

駅舎の前には桃太郎電鉄の名物キャラ「貧乏神」の石像があった。
ハドソンが自ら寄贈したものらしい。銚子電鉄は桃鉄の題材に使用されたことがあるのだ。
桃鉄はスーファミで散々やったから懐かしい気分になった(確かスーパー桃鉄II)。

しかし、取り付かれると絶望しかない「貧乏神」を福の神とするのも何か妙な話だがw



・外川つくし
P1310140.jpg

これは……さっき海鹿島駅で見かけた萌えキャラの等身大パネルだ。名前は「外川つくし」というらしい。
トミーテックが展開する「鉄道むすめシリーズ」の一人で、犬吠駅で駅務係として働いている設定になっている。



彼女「外川つくし」の詳細なプロフィールは以下の通り。
右側には彼女のテーマ曲を貼ってみた。ごく素朴のアニソンだが、
興味ある方は聴いてみては!?

・銚子電鉄犬吠駅の駅務係として勤務
・好きな食べ物はぬれ煎餅とたい焼き
・笑顔が自慢で花と子供が大好き
・名前は銚子電鉄の終着駅「外川」と「澪つくし号」に由来
・銚子電気鉄道商品化許諾済
・ツイッターの公式アカウントを持っている



等身大モデルを撮っていると、脇からそそくさと「鉄」の人が加わり撮影し始めた。
結局私も、銚子電鉄の萌えキャラ術中にハマってしまったのだろうか??

ぬれ煎餅を計20個買い外川つくしを存分に撮った後、犬吠駅を出た。



・犬吠駅~長崎鼻(徒歩)
P1310163.jpg

時間はまだ余裕あるので、今度は犬吠駅から銚子最南端長崎鼻へ行ってみよう。
観光地として有名な犬吠埼に対し長崎鼻は一切観光化されてないらしい。
海沿いの道をしばらく進むと、こじんまりとした岬と灯台が見えてきた。

犬吠駅から20分強、寂れた港集落を抜けたところで長崎鼻に到着。
何もなさそうなところだというのは、事前に予想がついていたのだが………、



・長崎鼻
P1310166 (2)

本当に、何もねえ。

岬には漂流物が散乱しており、打ち捨てられたボートが一隻転がっている。
土管を縦にして白く塗りたくったような白塔は、正式に「長崎鼻一ノ島照射灯」というらしい。
光で船を誘導する灯台とは異なり、照射灯は光を照らして特定の場所を示す役目に留まった施設である。

観光地然としていた犬吠埼とは打って変わり、こっちは最果て感がムンムン漂ってるな。
誰もいないし売店や商店まで一件たりともない。北風が吹きすさぶから余計侘しくなった。



P1310176.jpg

左手を眺めると、先ほど訪れた犬吠埼が遠くに見える。
「銚子の最南端」VS「関東の最東端」。歴史的価値とネームバリューでいえば犬吠埼が勝るが、
ひなびた最果て旅情を醸し出す場所(何じゃそりゃ)としては長崎鼻に軍配が上がるだろう。

何せここは、銚子電鉄HPの沿線ガイドにすら取り上げられてないのだから(笑)



P1310170.jpg

華やかな犬吠埼灯台に対し哀愁たっぷりの長崎鼻。この照射灯の初点灯は昭和30年にまで遡る。
照射灯は灯台と併設されることが多く、照射灯だけが独立して建っているのは珍しいという。
こいつは、ここで60年間ずっと独りで沖合いの岩礁を照らし続けてきたのだ。


次回は復路となるが、日暮れまで時間があるので銚子電鉄の「本拠地」仲ノ町駅へ行ってみよう。
仲ノ町で下車した後は歩いて銚子駅へ向かい、特急しおさいに乗って帰路を辿る。
長崎鼻の景色を堪能した後、私は銚子電鉄の終着「外川駅」へ向かった。

銚子電鉄を辿って

「銚子日帰り下車旅 3/3 (外川~仲ノ町~銚子~新松戸)」

[2015/1/31]

最端づくしの銚子日帰り旅は順調な道のりを辿ってきた。
関東最東端駅の海鹿島を経て銚子の二つの岬を辿ってきたが、
ここからは銚子電鉄に乗り、銚子で特急しおさいに乗り継いで帰路となる。


・外川駅
P1310146.jpg

銚子最南端の長崎鼻から徒歩10分で、銚子電鉄の終着である外川駅へ到達した。
終着駅だが駅前は何もなく閑静な住宅に囲まれている。

外川駅は銚子電鉄でも有名な駅として知られる。
こじんまりとした古い木造駅舎は開業当初からある建物だ。
この駅の開業は大正12年(1923)だから、駅舎は建てられてから90年以上経っていることになる。


P1310152.jpg

駅舎の脇には自動販売機がありノスタルジックな赤いポストもある。
留置線に放置されているのは、2010年に引退した名物車両デハ800形だ。
かつての銚子電鉄のイメージといえば黒と赤のツートン色だが、もうあの色の電車は走ってない。


P1310154.jpg

駅構内はレトロな雰囲気で天井に懐かしの白熱灯もぶら下がっていた。
端っこに古ぼけた郵便配達スクーターが置いてあってりして郷愁を駆り立てる。
色褪せたアナログ時計に、黒板に書かれた時刻表もいい味出してるな。
時間の流れが緩やかになるタイムレス空間だ。



・銚子電気鉄道 [外川~仲ノ町]
P1310178.jpg

駅を観察してると二両編成の列車がのんびり入線してきた。
さっきの往路で乗ったのと同じく、京王・伊予鉄道で走ってた2000形
ぼってりしたグリーン色は、渋谷駅のハチ公口にある蛙電車を思い出す。

銚子側は湘南顔だが、外川側は三枚窓の貫通顔になっているのが面白い。
この車両は銚子電鉄初の冷房搭載車だが、変電所の供給に余裕がないらしく、
冷房は終着駅の間しかかけないそうだ(苦笑)。切り詰めてる感半端ない!


P1310180.jpg

ぶっちゃけ私は留置されてる旧型電車に乗りたいが、もう動くことはないのだろう。
車内の乗客は僅か三人。隣駅の犬吠から乗客がドッと増えるのかも。
15時13分、銚子行きは定刻通りのんびりと発車した。



P1310184.jpg

そのまま銚子へ行っても面白くないので、復路は銚子電鉄の本拠地である仲ノ町で下車しよう。
予想通り犬吠でドッと乗客が増えて車内は賑やかになった。
乗客が乗り込むたびに車掌が切符販売を行う。

切符は磁器タイプではなく昔ながらの硬券でもない。ごく普通の紙の切符である。
これがなかなかいい味出してるというか、いかにもローカル線に来た気持ちにさせてくれるから良い。


P1310189.jpg

沿線はキャベツ畑が点在していて、そのすぐ脇を列車がゴトゴト抜けていく。
線路の柵もろくになく「町のための鉄道」の雰囲気が漂う。


P1310192.jpg

銚子電鉄唯一の交換駅、笠上黒生(かさがみくろはえ)。初見ではまず読めない難読駅である。
今思ったんだけど、銚子電鉄の駅って何処もコカコーラの自動販売機があるのは気のせいか?
理由はわからないが、コカコーラと提携でもしてるんだろうか………。

「間もなく、観音~~~~、観音~~~~に到着致します」

観音駅が近づくと車掌さんが車内を回りながら肉声案内を行った。鉄心を刺激するサービスだ。
これでさらに「発車、オーライ!」って言ってくれたら完全に昭和だ。

観音へ到着すると、たい焼きを持った乗客がドッと乗り込んでくる。
観音駅では名物としてたい焼きを販売していて、焼きたてがすぐに食べられるらしい。
そしてそれを車内で何事もなく食べられるところが、地元ローカルの魅力といえる。



P1310181.jpg

車内広告にもやっぱり萌えキャラ広告があった。
コレはさっき等身大で発見した「外川つくし」とは違うようだ。
調べたところ、広島の鉄道愛好サークルが手がけたものなのだとか。

地方ローカルは色んなものと通じてんなぁ。大手にはないごった煮感がたまらない。


P1310196.jpg

終着外川から15分ほどで、列車は銚子一つ手前の仲ノ町へ到着。
駅ホームが簡素で、ホームというより古い民家の裏に入って来てしまったような感じだ。



・仲ノ町駅
P1310202.jpg

仲ノ町はヤマサ醤油の工場地帯にある駅で、駅周りは無機質な建造物ばかりだ。
駅舎も工場の土地を間借りしてるような感じで、駅というより作業場のような雰囲気が漂う。
工場が稼動していれば醤油の匂いが香ってくるそうだ。

無機質なところだが、ここが一応、銚子電鉄の本拠地なのである。
ホームに隣接している車庫に銚子電鉄の車両が停まっているので、少し観察してみよう。


P1310199.jpg

車庫に停まっていたのは、営団銀座線・丸ノ内線支線で活躍していたデハ1000形
銀座線時代の黄色と丸ノ内線時代の赤色が再現されていた。
東京の地下鉄で古い歴史を持つ2路線再現コンビが、ここで拝めるとは思わなかった。

実は、丸の内線色に塗られているデハ1002は20日ほど前に引退してしまっている。
2015年1月10日を最後に定期運行を終えており、最終日は手前のデハ1001と協調運転を行ったという。
今後デハ1002は保存されるのだろうか?解体されてしまうのだろうか??
一応そこは「鉄」として気になるところなのである。

カメラを向けていると従業員の人がそそくさと車両に乗り込み、引退済みのデハ1002が私の真ん前で始動した!
何だこのサプライズはw。でも、あっちからすればただの業務だろう。


P1310206.jpg

引退した丸の内線色の電車が運よく前に出てきてくれた。
よく見ると車両後ろ側に名物機関車「デキ3」が連結されてるのが見えた。
ドイツ製であり、日本の旅客鉄道の中で最も小さい機関車として知られてる代物である。


P1310194.jpg

がんばれローカル鉄道。

まさかの「敗北宣言」から立ち直ることに成功し、ギリギリで頑張ってきた銚子電鉄を象徴する言葉だと思う。
この萌え~な応援ポスターは、仲ノ町駅構内のショーケースに飾ってあった。

あっという間だが、銚子電鉄の旅はこれで終わりだ。
「終着駅に着いたら、何もなかった」そんな地元ローカル線の未来は厳しい。
しかしそれでも乗り鉄は遠くから集い、列車に乗り込む。「乗って残す」とはよく言ったものである。


仲ノ町駅を探索した後、私は隣駅の銚子に向かって出発した。



・仲ノ町駅~銚子駅(徒歩)
P1310212 (2)

仲ノ町駅から線路沿いの道を歩いていくと、10分程で銚子駅に着く。
駅前ロータリーは広く商店街も広々としていて気持ちいい。
ここから、あとはしおさいに乗って帰路を辿るだけだ。


P1310213.jpg

16時38分に出る特急しおさい14号。今日はこれに乗って帰路へ着こう!
最近「往路=鈍行」「復路=特急」の行程パターンが定着してしまってるのだが、
帰りも鈍行にすると想像以上にしんどくなるので、今後は特急を上手く活用していこうと考えている。

疲れきった状態で帰りの鈍行に乗り込むあのしんどさは一度味わった人なら分かって頂けると思う。
鈍行で最四端行ってしまった馬鹿が今更何言ってんだって感じもするが(苦笑)。



・特急しおさい14号 [銚子~船橋]
P1310219.jpg

銚子駅1番線ホームに房総特急しおさいが停まっている。9両編成で自由席はまだ誰もいない。
車両は255系。1993年にデビューし今も房総特急の代名詞として活躍している。

東京~銚子間を結ぶ特急「しおさい」のルーツは、同経路で運行されていた優等列車の存在だ。
総武本線はかつて千葉地区唯一の「本線」とされ、その位置づけと威厳を保つ主旨もあったのか、
観光需要の高い内房・外房線よりも早く有料優等列車が設定された経緯を持っている。

その総武本線において誕生した初の有料優等列車が、1958年に設定された準急「犬吠」だ。
「犬吠」は後に急行に格上げされ、新宿・両国~銚子間を気動車で結んで走っていたが、
1975年に総武本線の全線電化が完了すると、国鉄は「犬吠」の一部を特急に格上げし新たに「しおさい」と名づけた。
当時は単なる値上げだと不評を受けたらしいが、これ以来、総武本線を担う定期特急としてしおさいは走り続けてきた。


P1310226.jpg

しおさいは東京まで向かうが私は船橋で下車する。この特急は通常船橋には停車しないが、
土休日の1号と14号に限り船橋に停車するという特例があるそうだ。
船橋停車の需要はあまりないものの、千葉北西に住む私にとっては都合がよかった。

列車は銚子を発車すると、旭、八日市場、横芝、成東の順に停車していく。
線形が悪いのか速度はのろのろしていて、ガタンゴトンとジョイント音を盛大に響かせながら走る。
その鈍足な走りは特急らしからぬ気もするが、鈍行よりも所要時間を大幅に短縮できることは確かだ。


P1310250.jpg

千葉を出ると列車は速度を上げ鈍行を続々と抜き去っていく。
初めはガラガラだったが、進むうちに少しずつ乗客が増えてきた。

やがて銚子から約一時間半で、列車は船橋に到着した。



P1310252.jpg

房総特急に乗車したのは初めてだが、千葉以東へ向かう際にまた利用してみようと思う。
列車を撮影した後、間もなく発車。船橋駅は休日帰りの人々で混みあっている。
新松戸へ向かうため、私は人混みに紛れて総武緩行のホームへ向かった。


総武本線と銚子電鉄の日帰り旅は、これにて終了。
「本線」と名乗っておきながらローカル度満載な総武本線を経て、
銚子からレトロ電車で関東最東端、犬吠埼を目指してみるのも悪くない。
ぬれ煎餅でもかじりながら歩いて駅巡りをするのもよし、萌えキャラと戯れるのもよし。

見栄を捨てた言葉で一世を風靡した銚子電鉄は、電車修理代を稼ぐために今日も頑張ってるのだろう。
こっちも次何時になるかは保障できないが、また乗りに行くぜ!銚子電鉄!
(完結)


上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。