鈍行列車一人旅

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東武鉄道で奥日光へ

「奥日光フリーパスの旅 1/3 (北千住~東武日光~明智平展望台)」

[2014/10/29]

紅葉真っ盛りの時期に日光へ行くという、まるで観光の模範みたいなことをするのは、
「ローカル&マイナー」を愛す偏屈者には少し似合わないかと思ったが、
ウダウダ言ってもしょうがないので行ってみることにしよう!
日光に行くなら、浅草から一本で行ける東武鉄道に限る。


・計画~導入


今回は北千住から東武線に乗って、日本有数の観光地である奥日光へ向かう。
使用する切符は「まるごと日光 東武フリーパス」。北千住からだと価格は4520円となる。
出発駅からの往復運賃を含め、東武日光から主な観光地へ行けるバス路線が全て乗り放題となる切符だ。

東武線に乗って日光に着いたら、まずバスに乗っていろは坂先にある明智平へ行く。
明智平バス停で降りたらロープウェイに乗って展望台へ。そしてそこから尾根伝いの登山道に入る。
登山道からは延々と尾根の上を進み、奥日光随一の絶景ポイントである半月山展望台へ向かう予定である。

朝6時半から常磐線に乗り、まずは旅の出発地点となる北千住駅に向かった。



・東武伊勢崎線/東武日光線 (快速) [北千住~東武日光]
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関東の私鉄で最長営業距離を誇る東武鉄道は日本でも有数の大手私鉄であり、歴史も古い。
浅草から北へ延びる伊勢崎線の他に、池袋から北西へ向かう東上線、東武動物公園から栃木の日光方面へ向かう日光線、
そして東京ベッドタウンを周遊するように結ぶ野田線など、東武の路線は実にバリエーション豊かだ。
ちなみに伊勢崎線には新たな愛称「スカイツリーライン」がついたが、個人的には未だ伊勢崎線の印象が強い
東武には、昔ながらの手堅い鉄道会社というイメージが色濃く残っているのである。

さて北千住から東武線に乗って日光に向かうことになるが、まず調べたいのが東武日光まで行く直通快速列車の出発時刻だ。
観光案内の時刻表を見てみると、浅草から東武日光まで直通で行く快速列車は1日4本しかない。
朝6~9時の間に1時間毎で浅草から出発するという運行形態であり、また復路の列車は充当されていない。
(10時以降も直通列車はあるが快速ではなく区間快速となる)
なので行きはこの直通快速列車に乗り、帰りは素直に特急スペーシアを使うのが賢い選択肢であろう。


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北千住は東京屈指の鉄道要衝で乗り入れる路線が多く、初めて来る人は複雑怪奇な駅構内に迷うこと必至である。
とりあえず北改札口を出て、普段は滅多に乗らない東武線の乗り場へ向かいフリーパスを発券してもらう。
各フリーパスは、券売機と券売機の間にある小さな窓口で購入が可能である。

肝心のまるごと日光フリーパスの割引率であるが、例えば今日私が行くルートを普通運賃で換算すると、

北千住~東武日光間の電車運賃2720円+東武日光から先のバス運賃2150円=合計4870円となる。

つまり中禅寺湖付近までバスを利用すれば、普通運賃で行くよりも少なくとも200円以上は安くなることになる。
逆に東武日光からバスを利用しない場合は、このフリーパスは割高になってしまうだろう。
いずれにしても、順当に電車とバスを利用すれば十分に元はとれるようだ。

窓口で切符を発券してもらったら、いざホームへ向かおう!
快速で日光へ行く場合は1番線に行けばいい。


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まだ通勤ラッシュ真っ只中で、ホームには長蛇の列ができていた。
しばらくすると、日光線に直通する快速列車が入線する。6両編成の6050系だ。
列車の方向幕を見てほしい。この列車には行き先が何と3つもある!
前側1・2両が会津田島、中間3・4両が新藤原、そして後側5・6両が東武日光へそれぞれ向かうためだ。
随分と密度の濃い列車である。行き先の違う車両に乗り間違えないよう注意したい。

ちなみに、この東武の快速列車は特急並みに停車駅が少ない
北千住を出ると春日部までノンストップで突き進む様は圧巻であるが、
春日部以北も相変わらず駅間距離が長い。正真正銘、本物の快速なのである。
加えて、6050系の車内はほぼ全てがボックスシートになっている。
シートピッチも余裕があり、クッションも深く快適そのものだ。





7時21分、行き先3つの直通快速列車が北千住を発車した。
今日は平日であるが、車内は先を進むうちにみるみる混んできて、
列車を切り離す下今市あたりでは立ち客でいっぱいになった。
さすがは紅葉シーズン真っ只中だ。
それも有数観光地の日光で、文句無しの快晴となると混雑はまず避けられないだろう。
まあたまには、賑やかな中行くのも良いではないか。

予想以上に混雑する車内で車窓画像を撮れる気配がないため、
今回は一先ず、Youtube動画の恩恵を享受させて頂くことにしよう。






ここで御紹介する動画は、今から約四半世紀前に録られたという超貴重な車窓ダイジェスト映像である。
再生回数は10万回越え!6050系の先輩である名車5700系が快速として浅草~東武日光間を疾走する。
吊り掛けを限界まで響かせるサウンドは、吊り掛けファンにとって正に垂涎ものであり、
この動画の価値をより高めているといえるだろう(特に後半の爆走ぶりは必見!)。

「新栃木まで禁煙」っていうアナウンスが時代を感じるぜ………。



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やがて北千住から約2時間で、列車は終点の東武日光に到着した。
ここからはバスだ。人混みに流されながら、駅前のバス停へ向かおう。


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どうでもいいけど、すっごい激混み!
今日、平日だぜ?平日でこの混み具合はマジでヤバイね。
平日ならまだ空いてると思ったのに……。
逆にいうと、休日はもっと凄いことになっているのか。
想像したくはないが……。


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駅前にはバス停が立ち並び、列誘導のポールが配置されている。
ゆっくり散策したいところだが、そうもいかない。
バス停には早くも列が出来始めている。湯元温泉行きのバス停は既に長蛇の列だ!
私はいろは坂先にある明智平で降りればいいので、中禅寺温泉止まりのバスで問題ない。



・東武バス日光 [東武日光~明智平]


バスの列でしばらく待っていると、中禅寺温泉行きのバスがやってきた。
このバスはJR日光駅が始発なので、中は既に満席。狭い通路に立つしかなさそうだ。
乗り込む寸前で断念する人もいるようだが、私は全然問題ないのでそそくさと乗り込む。
結局自分が中に入ったところで車内は満杯となり、通路の一番前でかぶりつき状態のままバスは発車した。

ブログで記事にしろといわんばかりのこの展開、良いねっ!(笑)
(実際はもみくちゃになりながら写真を撮っています)


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バスは大型の観光バスだが、狭い道を難なく進んでいく。
やがて山が深くなってくると、奥日光名物の一つであるいろは坂に突入する。
ここから道路は二車線になるため、一般車にバンバン抜かされることになる。


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坂をグニャグニャ上るうちに奥日光の山あいが車窓に姿を現す。
日光に来るのは中学の修学旅行以来だから、何となく懐かしい気分だ。


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明智平バス停寸前までくると、道路が車でごった返していた。
車が無理やり割り込んだりするわ、歩行者が頻繁に道を横断したりするわで、
クラクションがひっきりなしに鳴っている。

ここ明智平から今度は、ロープウェイに乗って展望台へ向かう必要がある。
ロープウェイの乗り場は、明智平バス停を降りてすぐのところにある。



・明智平ロープウェイ [明智平~展望台]
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ロープウェイ乗り場には長蛇の列ができていた。
数分感覚で運行している明智平ロープウェイだが、一度に乗車できる人数が少なく乗客の回転が遅い。
結果的に約30分待った後、やっとこさロープウェイの切符売り場へ辿り着く。


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「はーい、往復730円でーす」
「あっすいません、片道でお願いします」
「えっ?大丈夫ですか?3時間歩きますよ?
「はい大丈夫です。お願いしまーす」

片道切符を買う人は少数派なのだろうか、売り場の人に少し突っ込まれた。
そもそも、ここは観光客が往復で展望台のみに立ち寄るパターンがほとんどだと思われ、
展望台から先にある山道を行く登山客(←自分)はなかなかいないのだろう。
ちなみにフリーパスの恩恵はここでも受けることができ、パスを見せれば通常価格から一割引となる。
日帰りだから、使えるところで使っとかないと損だ。


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ロープウェイは僅か数分で到着となるが、車窓には絶景が広がる。



・明智平展望台
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ロープウェイから降り、乗り場を出たところにすぐ展望台があった。
ここ明智平展望台では、奥日光の代名詞といえる絶景を一望することができる。



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この絵はがきのような景色は初めて眼にするが、素晴らしいの一言に尽きるな!
「男体山」「中禅寺湖」「華厳の滝」を含む大パロラマが広がっている。
また肝心の紅葉であるが、どうも既にピークを過ぎていたようだ
ただ、山の下の方はまだ赤く残っているところがあった。



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絶景を見て一段落したところで、展望台のベンチで昼食といこう。
先ほど東武日光駅で買っておいた名物駅弁「鱒寿司」だ。値段は1300円。
王様のブランチのおすすめ駅弁ランキングで一位に輝いた注目の一品である。

竹皮の包装を解くと、見るも鮮やかなピンク色の鱒が姿を現した。
しっかりとした厚みがあり、酢の締めもしつこくないのでどんどん口が進む。
シャリの中に入っている生湯葉と絡み合い、一度食べるとやみつきになる味わいだ。
元々腹が減っていたのもあってか、ほんの数分であっという間に完食してしまった。

昼食を終えた後、私は展望台の脇から続く登山道へ突入した。

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奥日光の絶景展望台を辿る

「奥日光フリーパスの旅 2/3 (明智平展望台~半月山展望台)」

[2014/10/29]

平日なのに激混み状態の中、私は東京から東武線に乗って奥日光の明智平までやってきた。
30分待ちで無事ロープウェイに乗り、明智平の展望台で絶景を堪能した後は登山道へ。
今度は尾根伝いに、道中にある数ヶ所の展望台を辿っていく。



「明智平展望台→細尾峠分岐→茶ノ木平分岐→狸山→半月山→半月山展望台→狸窪→中禅寺温泉バス停」

今日の登山(というよりハイキング?)の目指すところは、半月山頂上のすぐ先にある半月山展望台だ。
明智平から尾根伝いに山道を進み、半月山展望台から先は山を下って中禅寺湖畔を歩いていく。
中禅寺湖畔まで行けばバスも走ってるから、終盤体力が持たなければ楽をすることも可能だ。


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手持ちの登山ガイドによると、今回の尾根ルートの標高断面図はこのようになっている。
標高1300~1800mの尾根の上を歩いていき、終盤には日光有数の絶景ポイントが待っている。
上りと下りを繰り返しながら進むため、少々きつい行程になりそうな気がするが、頑張って行こう。



・登山道 [明智平展望台~半月山展望台]
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今日は風が強い。
ボーッとしてると帽子が吹っ飛びそうで、やや不安だが登山の仕度を始める。
やがて登山用の重装備に切り替えると、周りの観光客とは浮いて見えるような気がした。
準備運動を済ますと展望台を後にし、ロープウェイ乗り場の横から続いている登山道へ入る。


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登山道に入ってさっそく、道は急な上りが続く。
上りきって一旦ホッとしたと思ったら、今度は下りに転じ、またすぐ上りへと変わる。
尾根伝いに進んでいるのだから、これは当たり前かもしれない。
そして、思った以上にキツい……。


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道の右手にしばらく雄大な男体山を見渡しながら進む。
実は本来の予定では、半月山でなく男体山に登ろうと思っていたのだが、
既に閉山してたので計画を変更し、近くの半月山展望台に行ってみようと思った次第である。


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さっきの激混みの喧騒はどこえやら……、人気は全くもってない。
対向から来る登山者も30分に一度くらいの割合である。
ギャップが激しすぎるな……。


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細尾峠分岐を通過し、茶ノ木平分岐辺りのところで少し道に迷ってしまう。
「ここは何処じゃ~」と思っていると、何やら夢に出てきそうな風景が現れた。
木々が整備された場所のようだが、こんなところに一人いると何だか奇妙だ。
結局、周囲の道標と持参の地図ですぐ難は逃れた!恐れず先へ進んでいこう。



・展望台
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茶ノ木平付近を過ぎて少し先のところで、名もなき展望台を発見する。
辺りは人っ子一人いない。こんなところにも展望台があるとは思わなかった。


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さっきは離れていた中禅寺湖が少しずつだが近づいてきた。
ここの展望台の真下にはスカイラインが通っている。

穴場といえる展望台を出発してすぐのところで、道は一旦車道を跨ぐ。
その車道との交差地点にはバス停があった。


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車道を跨ぎ、再び登山道へ突入。
ここからは狸山の頂上向けて道を上っていく。
狸山頂上は展望ゼロのため、素通り。頂上を通過したら山を下りて進む。


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左手には日光の山々が連なっている。
見渡すところ何処までも山であり、日光は想像以上に山深い場所なんだと実感する。



・中禅寺湖展望台
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狸山を下ったところで再び車道に出ると、そこもまた展望台になっている。
ここは車道と直結しているので、休憩がてらに車を停めて景色を眺めることが可能だ。


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いよいよ中禅寺湖も間近に迫ってきた。
半月山展望台まではあと少しの道のりだ。
しかし、ここからが一番キツいのである


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中禅寺湖展望台を出発し半月山への上りに差し掛かると、道は容赦ない急登へと変わる。
ここが一番辛い場所らしく、ゼエゼエ悶えながらも何とか上りきる。
すると半月山の頂上に差し掛かるが、狸山と同じく展望ゼロなので素通り。
頂上を通り抜けると道は下りに転じ、少し楽になる。
やがて頂上からまもなくして、今回一番のお目当てである半月山展望台へ到達した。



・半月山展望台
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半月山展望台は有名な景勝地であり、反対側から車で容易に上って来られる場所である。
既に先客がいるが、私のように尾根を伝ってきた人はいないようだ。
ここでは、ほぼ360度の大パロラマを一望することが出来る



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キターーーーーーッ!(そして疲れたーーーっ!)

本日一番のお目当てである大絶景!これが見たかったのよ。
正面に男体山、右手前に八丁出島、左奥には戦場ヶ原が見える。

今回の尾根ルートでは、明智平展望台から半月山展望台を経由することで奥日光の名物を片っ端から眺めてきた。
「中禅寺湖」「男体山」「華厳の滝」「戦場ヶ原」「八丁出島」「日光白根山」と、
日本有数の景勝地が次々と現れる様は圧巻の一言である。



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絶景の北側に対し、南側の景色はこんな感じで山々が延々と連なっている。
実は、この山々のすぐ向こうにはわたらせ渓谷鉄道の終着駅(間藤)があるのである。
間藤からは1日4本日光駅へ向かうバスが出てるから、わたらせ渓谷鉄道経由で日光へ来ることも可能だ。
地味に、やってみたいルートだな………。


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展望台で絶景を堪能した後は、山を下り中禅寺湖畔を進んでいくことになる。
早くも日が暮れそうなので、名残惜しいがキリのいいところで半月山展望台を出発した。

秋の中禅寺湖畔を歩く

「奥日光フリーパスの旅 3/3 (半月山展望台~東武日光~北千住)」

[2014/10/29]

奥日光の日帰り一人旅も終盤を迎える。
早朝に東武線に乗って東武日光へ向かい、駅前からバスとロープウェイに乗って明智平展望台へ。
続いて明智平展望台の脇から登山道に入り、尾根の上を延々と進んで景勝地の半月山展望台までやってきた。



半月山展望台からは、半月峠を経て中禅寺湖方面へ山を下りていく。
山麓に辿り着いたら、中禅寺湖畔の道を歩き通して今回の旅は無事に帰路となる。
日が暮れる前に、まずは山の麓まで向かおうか。



・登山道 [半月山展望台~半月峠~狸窪]
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半月山展望台を後にし、半月峠の分岐へ向かって山道を下っていく。
ここ一帯は笹が一面に生えていて、展望もきいて気持ちよい景色が広がる。
この道は利用者が多いらしく、車で来たと思われる観光客もちらほら見かける。

「こんにちは~」
「これから社山まで行かれるんですか?」
「いや、もう山を下りますよ」
「そうですか、では気をつけて!」

ベテラン方と思われる登山者と挨拶を交わす。社山は半月峠からさらに先にある山だ。
重装備でかつ日が暮れる時間帯なので、心配されたのかもしれない。
今から山を上るのは、山行の常識からすれば御法度である。


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半月峠から中禅寺湖方面の道を延々と下り、山麓の狸窪まで到達した。
これで、とりあえず登山道は無事制覇!あとは中禅寺湖畔をひた歩いていくだけだ。

いや~、思ったよりキツかったーー、この尾根ルート。
まず第一に思ったのは、予想以上に危なっかしい箇所が多かったことである。
トレッキングブーツは必須であり、安易な装備では足をくじいて怪我をしかねない箇所が沢山あった。
また、道から一歩足を滑らせれば真っ逆さまみたいな危険な場所も結構見かけたので、
もし行かれる場合は、ハイキングではなくちゃんとした登山の装備が必要となってくるだろう。



・中善寺湖畔 [狸窪~イタリア大使館別荘記念公園]
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珍しく物思いに耽りながら、秋の中禅寺湖畔を歩いていく。
童謡「静かな湖畔の森の影から~」のメロディが頭に流れてきた。
ここの道は、先にあるイタリア大使館別荘まで一般車通行止めなのでひっそりとしている。



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どうせならと思い、道脇から湖岸に出てまったり小休止。
残念ながら紅葉のピークは過ぎているが、中禅寺湖畔の風景は素晴らしい。
夕日に照りつけられた木々が黄金色に輝き、何ともいえない哀愁を誘ってくる。


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湖に落ちた枯れ葉が、鮮やかに水面を彩る。
ずっとこうして景色を眺めていたいが、最終バスの時間は近い
常に時間に縛られるのは、公共交通機関の旅の宿命だ。
でも、限られた中でやることがあるからこそ楽しい。私はそう思っている。



・イタリア大使館別荘
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夕日に照らされる中湖岸を進んでいくと、一風変わった造りの古い木造住宅があった。
ここイタリア大使館別荘は、1997年まで歴代のイタリア大使が利用していたという。


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この建物は中禅寺湖に面しており、ベランダを開け放てば湖畔の美しい風景を独り占めできるようだ。
今はちょうど日が暮れる寸前で、まるで桃源郷の果てを思わせる光景が広がっている。

いや~、こんなところに一度住んでみたいものだ。
何せ、家に帰れば4車線の主要国道の喧騒が待っているのだから(苦笑)。


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イタリア大使館別荘付近は、まだ紅葉が残っていた。


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ヤバい、日が暮れる!10月は日が沈むのが早い。
ここからはバスに乗れるので、大人しくバスに乗っちゃおう!



・東武バス日光 [イタリア大使館前~中禅寺温泉]
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イタリア大使館別荘記念公園を過ぎたところで、県道との合流地点があった。
道脇にはバス停がある。中禅寺温泉行きの最終バスは16時50分だ。

「おーい、そこの兄ちゃん!もうすぐ最終来るから待ってな!」
「あっはい、ありがとうございます!」

道路のゲートを閉めにきたおじさんに一声かけられた。
ここのバス停から先の道路は、17時以降通行止めとなるようだ
バス停到達から約15分後、中禅寺温泉行きの最終バスがやってきたので乗り込む。
この区間ももちろんフリーパスの圏内なので、乗車運賃は無料である。


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日が暮れる寸前、最終バスに乗り込んだときの、この安心感。
乗客たった一人だけを乗せて、夕暮れの湖畔をひた走っていく。
日帰りの場合は時間を目一杯に使うので、帰りのバスは大概最終になるのが常だ。



・東武バス日光 [中禅寺温泉~東武日光]
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到着後、バスから降りると日がすっかり暮れていた。
ここ中禅寺温泉からは再びバスを乗り継ぎ、東武日光まで戻らなければならない。
寒いので自販機で缶コーヒーを買って身体を暖める。待っている乗客は大体20人ぐらいか。




やがて20分後、JR日光駅行きのバスが来たので乗り込んだ。
結局車内は満席となり、隣に座る姉ちゃんが睡魔にやられて私の方に寄りかかってきた。
こういうシチュエーション、マジで困るなー
でも睡魔に襲われるのは痛いほどわかるので、あまり刺激しちゃいけないだろう。

そういや最近、電車の中で眠っちゃって、起きると涎がだらだらに出てるときがあるのだが、
アレ、本当に何とかならないかな。早いうちに改善策を検討しないとマズイ。
目が覚めたときの、あの気まず~い空気ね!まず、垂れた涎をどう処理していいか困るのだ。
とりあえず、うつむき気味になりながら手の甲で何事もなかったかのように拭き取るわけだが……(汚い話ですいません)


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18時過ぎ、バスは定刻より少し遅れて東武日光へ到着した。
あとは東武の電車に乗って、帰路を辿るだけだ。
平日の夜だというのに駅前は賑やかである。



・東武日光線 [東武日光~下今市]
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18時28分発の下今市行き列車が出発を待っている。
平日の東武日光は18時以降だと浅草まで直通する列車がなくなるため、
まずは一旦鈍行で下今市まで進み、そこから接続する特急に乗り換えなければいけない。



・きぬ138号 [下今市~北千住]
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東武日光から僅か数分で、列車は鬼怒川線と接続する下今市へ到着する。
ここからさらに鈍行を乗り継いで帰ることも可能だが、もう疲れたので特急に乗って帰ろう!
子供の頃、「スーパーひたち」(651系)とともに憧れの存在であった「スペーシア」の登場だ。
言わずと知れた東武特急の顔であり、デビューから20年以上経った今も現役で活躍している。

一旦改札を出て特急券を購入したあと、生まれて初めて乗車するスペーシアの車内へ。
今見ても全然古臭くない内装は、欧米のホテルをイメージしたものだという。
そして素晴らしいのが座席だ!今まで乗った特急の中でも随一の快適さである。
肉厚のクッションに、頭部横にある大きな支えが心地良い眠りを提供してくれる。


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やがて下今市から約一時間半で、きぬ138号は定刻通り北千住に到着した。
心地良すぎる座席に終点の浅草まで座っていたくなったが、やむなく列車を降りる。
「スーパーひたち」も「スペーシア」も名車だったんだな~と、心の中でしみじみと想う。

奥日光の景色を存分に堪能できたし、混雑なんか気にならないほどの充実した一日であった。
「まるごと日光 東武フリーパス」は4日間連続で有効の切符であるが、
使い方によっては日帰りでも十分元はとれるだろう。

夜の北千住駅は通勤客の慌しい喧騒に満ちている。
東武特急スペーシアに別れを告げ、私は帰路を全うするべく常磐線のホームへ向かった。
(完結)


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